テキスト1971
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て、大体の花型を考え組み合せてみる。蓮は花型の形も大切だけれど、なによりも水楊げが肝心である。体裁よりも実質本位という考え方で材料を選ぶ。小さい若葉は形がよいけれど、⑭ひらき葉、花、実(蓮台)と揃えて自分の材料を選び、その次に大切なのは花器の選び方である。これも普通の花器の選び方の⑬まず、ひらき葉を選びとつ上に、水のたっぷり入る器。り深い壷のような、足もとの自由のきく器を使うのがよい。ひらき葉の株もとは煮いてあるので、その部分を切らないで、そのまま花器の方からあわせて活け水揚は悪い。る。花と巻葉は適宜に切る。⑮蓮は生花、瓶花、盛花のどの場合でも活けて調子のよい材料である。今日は全員同じように生花に活けた。盛花にも好ましい材料。⑱ かな⑯ 活けあげた蓮の生花である。お話したように花型よりも水揚げを重点におく。この花は15分で活け終った。形に時間をかけるのは、よくない。花型は高さ四・五尺に活ける①午前10時半、19瓶活けあがる。②午後③午後3時、完全水揚げのもの八くり返していうように、蓮のいけばなは花形も、よりよい形が望ましいが、それ以上に重要なのは水揚げである。戦伯、京都諸流派の代表的な花迅家が集つて二十人ほど、毎年の夏に蓮花の水掘コンクールのようなものがあった。永年の年功をつんだくろうとの集りだったが、早朝から切りとつて水揚げをして、午後3時ごろまで水勧げて見られるのは二、三瓶ほどだった。それほど水揚げの悪いものである。庭で鉢づくりの迎なれば二日程度は保つのだが、蓮池から切りとった一五0センチ程度の堂々とした蓮の葉が、その材料として用いられた。夏の景物として、辿の水揚会は中々雅趣のあるものだし、いけばなの夏季練成のような意味もあつて、これもまた楽しという感じのするものである。さて、以上の切りとりから活け上げまで、不十分ながら写真を添えてその実際を書いてみた。「その結果」はどうなったかを記録しておく。2時、全部の中から四、五瓶ひらき葉しおれはじめる。瓶。(ひらき葉3枚完全)④翌朝(午前9時)に(一瓶の三枚葉が完全に水拗げ)四瓶となる。⑤正午に完全なるもの二瓶となる。その結果.... ⑭ ⑮ ,

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