テキスト1971
111/154

c紫蘭ひまわりc紫薗(しらん)の葉と実、この花は五月に紫紅色に咲き、夏には小さい雅趣のある実がつく。花のときは平凡な材料だが、夏になると葉ものびやかになり、実がついて生花にも盛花、瓶花にも好ましい材料となる。流楊な曲線の葉が左右にひろがつて、葉の使い方を巧くすると中々よい花が出来る。ことに実の茎も軽やかな感じがあり、用い方を考えると趣味のいい生花になる。今Hは、淡緑色のひろい水盤を花器にして、ヒマワリの黄花をそえて株わけざし(分休花型)の仕花をつくった。ひまわりの花を低く花を揃えて入れてあるのが変つているし、緑の水盤の上に黄色のひまわりの花が美しい。生花としては新しい感じをもつていると息う。⑪まんさくききょう⑪まんさくにききょうをあしらった生花である。秋になると紅葉の美しい木だが、今は緑の葉が群つてついている。大きい葉のものが多くこの写真のように引きしまりのある築のものは少いのだが、今日は特によい材料があったので生花に活けることにした。大体、枝先にはぶらりとさがった大きい業のついているのが普通である。その枝先きの葉二、三枝ずつをとりさつて枝を見せ、全体の葉をかなり切りとつて木の枝がよく見えるようにするのがポイントということになる。葉がこんもりとして群ったようなのは駄目である。そんな意味でこの花をみて下さい。禄色の枝の線が緑の葉の中から見えるように、適度にすかしてあるのがわかると思います。花器は黒色の手附花瓶、生花用としていちばん適した形といえます。こんな形の壷はくばり木をかけるのにも楽ですし、花を入れても落若きのある感じが作れる。あしらいの花は紫のききよう、緑の葉と紫の花、黒い花瓶、夏の花の色彩として実に新鮮な必じのする生花である。前の。ヘージのまきの仕花の様に技巧だけの花と、このまんさくの生花の様に自然を活かして、季節感もあり、色も美しいという作品とは、全く対照的な迩いがある。.. 5 . ... '••••••••

元のページ  ../index.html#111

このブックを見る