テキスト1971
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生虹専渓8月に入ると花が少くなる。生花の材料にしても盛花瓶花の材料にしても同様、暑さになんとなく花の色もあせて、はつきりとした花の色、豊かな感じの花が少ない。この号のテキストは、花の少い8月を、技巧的な伝統生花に活けて8月は8月としての特徴のある編集をすることとした。5日ごろに生花の写真を15枚ほどとったのだが、2回にわたつて15時間ほどかかつて、ようよう15作の生花をつくり写真にしたが、材料の思うようにないのと、暑い中の仕事なので十分には行かなかったけれど、どうにか編集にまでもつてゆくことができた。8月1日に「蓮を活ける会」をやったので、私としても久しぶりであり、皆さんの参考にもなろうかと思うので、そのスナッ。フ写真を加えて解説のページを作った。毎号の作品写真をとるとき、いつも思つのだが、なにしろ多忙な仕事の中で、私が考え私の体験を皆さんに語りかけることになるので、少しでもよいものを作っておみせしたいと思っのは一ぱいなのだが、時間的にも制約があつて中々考えるようにはゆかないのを残念に思つている。今日は次の号のテキストの写真を作ろう、と思うと、写真の小西氏の都合をきき、なによりもまず花屋と交渉して材料があるかどうかをしらべる。その日に感じのよい材料があれば、その翌月号はよくなるし、材料が適当でないとどうしてもよい作品が作れない。私の都合のよい日を選び、急に実行ということになるので、材料が手に入るかどうかに影密される。よくない方法だと思うのだが、発行日が大体きまつている以上は、こんな不十分な方法しか仕方がないと思つている。活けるときは、私が考え私の作品を次々と作って行く。8時間ほどぶつ通しで活け、写真をとつては次の作品にうつる。考える時間も少く、まして予定を立てることも中々むづかしい'ーーその日の材料まかせだから。ほとんど徹夜になるのだが、よくもがんばつてのと、われながらじcと手を見る感懐である。写真が出来上ると、すぐ編集に二日閻、原稿かきに三日1、印刷が2週間。かくしてテキストが出来上るのだが、「好きこそ物の」といわれるように、私自身も勉強させてもらつている次第である。一00妙まできたもtヽけばな月の花か8 毎月1回発行桑原専慶流No. 99 編集発行京都市中京区六角通烏丸西入,桑原専慶流家元(写真•おみなえし一種)1971年9月発行

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