テキスト1971
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堀川の石柄を撮影して、すぐ車に乗つて比叡山を越えて坂本に下り、「坂本一_一橋」の写真をとりに行きました。この日吉大社は訪問者も比較的少ない静寂の環境で、いつ行っても心にやすらぎを感ずる清浄な神域です。神社の境内に流れる大宮川の清流にかかる三つの石造橋、橋」「走井橘」「二の宮橋」が坂本三橋として有名なのですが、早速2枚の写真をとったのですが、cの写真は古いテクニックですが、面白い感じが出ていると思います。い、その構成美といい、石橋としては国内でも一ばん優れたものでないかと思います。案内書の中から三橋す。「大宮吉の奉納と伝えられている。梧脚は十二本、全体の姿にも彫にも桃山時代の優美さがあらわれ、古くから石造美術の粋と称せられ大宮川の清流さて、この三橋は時代のさびといについての解説を転記しておきま(大宮栢)重要文化財日吉三橋の一、天正年間、股臣秀とその美を競つている。以上R 写真Rは、重要文化財指定の大宮橋で、cは大宮橋の石造らんかんより、第二橋の走井橋を見る写真です。日吉大社のこのあたりは紅葉の名所ですが、青楓の新緑もそれ以上の新鮮幽静の美しさを感じます。私達のいけばなに直接関係のない「石橋」のお話をしましたが、私達はひろく、工芸美術に関する作品鑑賞、伝統美術の鑑賞についても、あわせて研究的陀度をもちたいと思うのです。c c ⑪堀川は京都市街の西域を流れる川ですが、染織の本場の西陣の中心を流れている川ですから、最近までこの川で染めものを洗う景色がよくみられたものです。したがつて堀川の水は、紫や紅色の染料が川水に流されて、染織の中心らしい特殊な惜景がみられたものです。一条戻り橋からその次は、写真のR⑪ 「堀川第一橋」と石柱にきざまれた石造りの橋がかかつています。京都の堀川は史跡の多いところであって、江戸時代に伊藤仁斎のひらいた古義堂(堀川学派の学校)の旧跡があり、堀川に而する二条城、堀川六条の本顧寺、輿正寺など、また前号に書いた「醒が井」も堀川に面している旧跡です。滋賀県坂本三栢京都堀川第一橋⑭ 10

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