テキスト1971
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前月号に東福寺の木橋のお話を書いたので、今月は石橋について著名なものを掲載します。Rの写真は長崎県の平戸島にある「幸橋」です。平戸は佐世保の西北に位置する島で、松浦氏の旧城下町で天文十九年ポルトガル人が渡来、江戸時代にはポルトガル、イギリスと通商、脱長年間には商館が設けられました。キリシタンの基地ともいわれるところで、古い年代の教会が残存しています。坂にそうてオランダ塀があって石段が多く、なんとなく異固恰紹が感じられます。低い山に登ると城が見え、十字架の教会が見えるのも変った風景です。幸栂はオランダ出島と町を結んだ橋で、外国の技術によって架けられたこの石橋は、あります。すかし百合に似た「平戸百合」というのはこの島の原産です。平戸焼という陶器は松浦氏が朝鮮から陶工を連れ帰つて焼かせた陶器、といわれます。R 平戸島の幸橋日本の石橋とは少し迩った感じが(写真R比叡山の渓流が京都市内に入って、四条橋の北辺で鴨川に合流します。上流は白川女で有名な白川町。「かにかくに祇園は恋し」と歌った吉井勇の歌碑のあるのも祇園町の中を流れるこの白川のほとりです。上は白川すえは鴨川と古い文章にもある、この白川はやさしく優婉な情紹をもつている川です。五0センチ程度の深さの流れが静かに流れている京都らしいしずけさをもつている川といえます。知恩院の門前を流進)れているこの川に、細い石栖がかかつています、大都市の中にこんな細いわたり柏があるのも珍らしい風景です。京都の石橋⑧白川のわたり橋c西大谷のめがね橋口口c京都市東山五条にある西本願寺大谷本廟にある通称、めがね栢です。百年以上の建造物と考えられますが、完全な姿を今日にもみせています。京都市にある石造橋の中でも最も技術的に優れたものと考えられるのです。池水があまり美しくありませんが、辿花が一面に咲き水面をおおう風景は、いかにも浄土の感覚を覚えたものですが、このごろは池も清掃され蓮花もほとんどみられません。c 8 n] @ 園霞

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