テキスト1971
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しまがや、しまがや、松、ばら三種の瓶花である。尾花が出る頃になると「すすき」といい、穂の出ない夏はかや(萱)という。庭のしまがやは水掲がよい。ま夏でも三、四日はもつ。朝きりとつて株もとを焼き水揚をする。これに雄松の葉の荒いもの1本、松笠が三つついている。バラの濃紅色のもの2本をとり合せて白色の花瓶に入れた。松とかやの取合せがよく、すがすが(白磁花瓶)松、ばら.. しい感じである。紅色のバラが色彩をぐつと引きしめている。松はうつむきだが者い松葉のひろがりをみせるためには雄松の場合、こんな使い方も効果的である。野原にある野生のかや、緑の葉のものをあおかや(青萱)といい、緑に白い段のふ入り葉ものをやはず(矢筈)その他に葉の細いかるかや、糸すすきなどの種類がある。かるかやに雄刈萱(おかるかや)雌刈萱(めかるかや)の二種がある。.. 二00年以前の古い銅器、これはしまがや、ききょう立花の花瓶である。地紋がほとんどつぶれて一層、古雅な感じをみせている。こんな強い調子の花器に自然趣味の軽やかな投入花も、意外に調(古銅花瓶)和するものである。高さ35センチ程度のどつしりとした花器だが、水もたっぷりと入り、足もとに水が見えてすがすがしい感じがする。こんな花はまじめにとり組まないで、秋海棠二、三本といった調子が、かえつて花器を引き立てることになる。7 .... ... .... R ⑧ 夏の瓶花R R

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