テキスト1970
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'> R萩焼の大ぷりの鉢である。ふたものの厚手の陶器で、民芸的な野趣がある。うすねずみ色のざらざらとした地肌の鉢だが、なんとなく落着いた渋味が感じられる。花は蒲(がま)にりんどうを配合して、さらっとした調子に活け上げた。花器に比較して、がまが背高かく感じられるが、軽やかな材料なので、写真でみるほど重い感じはしない。りんどうを3本、2本を低く前すそに挿しそえた。りんどうは長野県より送り荷のものだが、七月頃に見るものは花も沢山ついて重くるしく、的に隆々として勢いがよいので、活けても風雅な味わいにとぽしい。こ‘,0 のごろになると、茎もしなやかになり花つきも少なくなつて使いよくなる。グラジオラス、りんどう(信州の)は少し終り方になつて、細くやさしくなった頃に使うのが好ましの形はよく調和する。R緑掲色の中国製の壷である。こ1本は高く、の壷に酒類、球根類を入れて送つてくる、外装の容器ということになる。もとより鑑貨陶器ではなく実用的な送荷用の容器なので、中国で多茎の形も直線量に作られる壷であり、なんとなく支那趣味の味わいがある。がまの葉の直線に対してりんどうこの壷にはその土地の感じが見えこ。t て大量に作られる雑具の類であるから、民芸の面白さを充分にそなえている陶器ということができる。私の家に、古くからある壷だけれど、あまり花を活けたことがない。思いついてこの器に花を入れることにしたが、材料は、街路樹のプラタナスと一般にアスターといつている洋種の菊である。丸く平凡な形の壷なので花形の調子も中々むづかしく、面積の広い壷の前面に花材をおおいかぶさる様にして、変化をみせるように考えて挿した。゜フラタナスの葉の形は意外に変化があって、淡い紫色のアスターの茎の間に空間を作つて、それで形の単調さを破る様に考え花器花材花器花材ガマリンドウ。フラタナス萩焼の鉢中国製の壷アスター8 @ R R @

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