テキスト1970
93/136

c花器は香港製の手提篭である。籐(とう)製品で、底の深い篭だが、これは買もの篭として作られたものだろう。籐製品なので柔らかい感じの竹篭にないしなやかな感じを持つている。深さ40センチほどでたっぷりとした感じをもつている。なんとなく南国的な味わいを持つている篭で、手にもそれらしい特徴がある。中に壷を入れて、花はシマガヤと黄色の中菊、あわの穂4本を添えた。こんな場合、手を美しくみせることが必要なので、花は低くさし、花器に比較して小ぶりに活けた。かきつばた一種、ぽたん一種などよく調和する。⑪韓国製の木製の鉢である。米を選別する器で、側面に段々のきざみこみがあって、この器に米を入れ、振りながら選別する器具だという。農具のうちの―つである。直径40センチ程度、深さ17センチ、たっぷりとした容器である。小さい水盤を人れ剣山を使つて、淡紅のバラ6本を挿した。花器の内部の線条に特徴のある器なので、それをかくさないように、内部のよくみえるように考えつつ活けた。この器も韓国の農具であるだけに、珍らしい感じのものだが、花器としては使いやすい而白い器物である。材質は松の木らしく、機械製の堀り込み仕上であろう。⑪ c 花材淡紅バラ一花器花材花器韓国製穀物香港製とう製手提篭かやあわ黄中菊選別具5 曇l、!ヽ.、9、⑪ 種~~ ~~\

元のページ  ../index.html#93

このブックを見る