テキスト1970
92/136

Rガラス工芸は江戸時代から日本で行なわれているのだが、大工業でなく、一人のエ人が自分の思うままの製品を、口吹きの方法で作っている様な、いわば民芸とも考えられる作品があるものである。岡山県水島でも一個一個を手作りといえる索朴な方法で作っている人がある。この様な作品には野趣の深い味わいを感じられるものだが、ここに掲載の写真は、沖縄のガラス器(水注)で、これも手作りらしい厚手のガラスと鈍重な形で、手ぎれいでないところが中々面白い。花は。ハインアッ。フルリリー一種で、い感じで、花器と調和していると思う。白緑と褐色の花が重Rこれは腰下げの魚篭である。相当古いよくなれた竹器だが、口もとに紐がついており、その先に瓢の木型のすべり止めがついている。篭としてよく組めているし年代のさびがあつて、深い雅趣が感じられる。かけ花としては適当だが、下に附いて後方に花留の重味のあるものにもたせて、咄叫き花として活けた。町の古道具屋でみつけた篭だが、破損もなくよく手入れの行き届いた時代のなれが美しい。軽やかなナナカマドの枝を左右に長くひろげて、淡紅のムクゲ(祇固守り)を三輪入れた。のびやかな対照型の花形である。花器花材花器花材。ハインアッ。フルリリー沖縄民芸ガラス瓶腰さげ魚篭ナナカマドムクゲ(祇園守り)4 R R ⑧ R 二賽~,-

元のページ  ../index.html#92

このブックを見る