テキスト1970
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③正方形の陶器、40センチ四方の大きさです。大ぶりの水盤ですが、これに「シラボシカユウの花、ヤツデの葉」の二種をとり合せて活けました。ヵュウは40センチ程度の高さに3本を長短にならべ、その前と後にヤツデを2枚添えた単純な盛花です。ャッデの葉を前へ向けて2枚、重ねる様にさしたところに考案があります。花器の内部が広いので、ヤツデの葉を花器の中へ沈めて低く挿してあるところが、この盛花の特徴です。ャッデの葉は平凡な材料ですが使い方によっては案外、効果のあるものです。この場合、カユウにモンステラというところが常識ですが、ャッデというところが変つているのです。ャッデもモンステラも変った形のある葉という意味において同じ趣味の材料です。ただ、ャッデの葉は使い方によっては平凡な材料になります。案外むつかしい材料です。④紺色の大鉢に「ヒマワリ」をさしました。ヒマワリは黄色の大輪花に特徴のある花ですが、葉や軸は美しい形のものではありません。花壇に数十本も植えてあるのをみると全く夏の象徴の様に思えるのですがさて切り花として手にとつてみるといかにも大味(おおあじ)な花で、活けるのにむつかしい花です。写真の様に首だけ切つて花を図案の様に並べて、その並べ方に而白さを感じ⑤ 3本る花、といつてもよいでしよう。ャッデの葉も使い方によっては平凡な材料だし、このヒマワリも同じ意味で、使い方のむつかしい花です。写真では、大きい花器のまん中に花取り去つて、少し残した葉が花の問から見えるようにしました。上下に並べた花3輪は、まで沈めてます。単調に三つ並べたところに、を3輪、上下に並べて葉はほとんど花器の中一部分は水につかつてい意匠があるのです。がつしりとした花器に、強い感じの花、たっぷりとした水、夏らしい精力的な花ではありませんか。活けるには時閥がかかりませんしその瞬間にきめる考え方に問題があります。夏の花は簡単にしかも新鮮な花を活けたい、と巻頭のことばでお話しましたが、こんな花がそれにふさわしい花といえるでしよう。④ 10

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