テキスト1970
82/136

和室でも洋室でも、部屋の隅に飾つて、前面と側面の二方面より形よく見える花型です。写真の瓶花はユキャナギの緑の葉、ヤツデの葉の澁緑、オレンヂ色のすかし百合の三種の瓶花で、形は斜体になつています。和室向きの趣味ですが、鬼百合の朱色、キキョウの紫、シラボシカユウの葉の3種などを、立体調の二面体に活けるのも活けやすく、少し広い廊下のまがり角のすみの様な垢所に箇くと両面から見られても形のよいものです。四面体は特殊な楊合の花ですが、この二面体や三面体は使うことも多いと息いますから純習されるようにおすすめします。RとRの写真は―つの花を前と横から写したもので、A面B面とも格好よく見える様に活けるには、特別の注意と技術が必要です。Rは正面から見た瓶花です。応用花型といえる程度の花形で、左方の斜前に出たユキャナギの真と、その左下に奥まつて入っているスカシュリ、左前隅のユキヤナギの胴、中問の高い位岡と、その奥へ、ずつと後方へ長くのびた控の位置にユキヤナギを入れています。中央前へ突き出たスカシュリ、右方へは、ヤツデの小葉を中間の右横と右前低く、留の場所にさしています。体砂二に面ぃ前力からみると品本郡にそうた温和な形ですが、これを活けつつ、これも幾度となく花器を右へ廻して、左側の面の形を考えて活けたのです。Rの写真はその左側面です。右勝手になつていますが、右の上方へのびた真、右下の胴、その向うに半ば見えているのが前面の百合の花です。R面の中央に見える百合は正面より見た場合の副です。ャッデが奥深くみえます。両面とも形よく出来ているではありませんか。6 一つの瓶花を前と横の二面から写真にとりました花材ユキヤナギャッデスカシユリ

元のページ  ../index.html#82

このブックを見る