テキスト1970
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ii(写真)ストレリツイアヒロデンドロンオーガスターヒマワリ(桑原隆吉作「創作」という言葉は、芸術作品に対して、よく使われる言葉です。「広辞苑」によると、「創作」とは「はじめてつくること、つくりはじめること」「芸術的な感卵を文芸、絵圃、音楽などの芸術作品として、独創的に表現すること、または、その表現された作品、多くは純粋小説の場合に用いる」と記されています。私達のいけばなにも「創作」という言築を使って、特殊な作品を示す場合があります。いけばなの作者が自分の考案によって、これまでにない新しい形や、材料の配合、色彩の独創的な使い方によって‘―つの作品をつくり、それが、これまでにない新しい感覚を生み出すようないけばなであった場合、これは創作ということができます。祈しい考案によって花器をつくることも、その条件の一っといえます。花器はこれまで使つている花器でも、その花材の配合と花形の作り方に、これまでにない新しい工夫のある作品は「創作」ということができると息います。この様に新しい作品は見る人に深い感動を与えますし、新しい美を生み出すことにもなるわけです。いけばなの勉強は、屈本をしつかり理解し、さらに、その形式技法や作品の成心党をよく研究して、みずからが考え出す「創作的な作品」をつくる、その段階に至ることが、最後に望まれる境地なのです。創作的ないけばなを作るために、屈礎的な勉強をする、ということになるわけです。「自由」という言葉があります。心のまま、息う通り、という意味ですが、従って規定や制約をうけないことでもあります。「創作」は日山に自分の考え方と技術によって、これまでの形式にとらわれないことなのですが、その前位条件として、品本的ないけばなへの迎鮒と、地本的な技術が必要であり、また屈本的な知識をしつかりともつことが必製であります。ここにはじめて創作的な作品を作り釘る環燒が化れるものなのです。ここに掲煎した隆吉作の瓶花は、黒褐色のストレチア、オーガスターに、橙黄色のヒマワリ、赤褐色の葉のヒロデンドロンの.種配合の瓶花です。配合も変つているし形も大変新しい/心じをもつています。色彩と形の糾み合せの1に、新鮮な感じをうける作品といえます。(専渓)いけばなの創作毎月1回発行桑原専慶流No. 85 編集発行京都市中京区六角通烏丸西入)桑原専慶流家元1970年7月発行いけばな

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