テキスト1970
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)C瓶花盛花の基本花形(写真スイートサルタン創作的な分体花型・バラこのサのテキストで瓶花盛花の甚本花形を解説しようと思います。これまでのテキスト誌上でお話しています様に、瓶花盛花の研究目標は、「その素材である花について、ひろく深く知ること」「花を材料に使って、どんなに優れた形を作るか」「花器との調和」「いけばなの色調の研究」その他、これに関係のある知識を得ることであります花道の伝統や歴史を知ることも大切でありますし、今日の時代に調和した新しい感じのいけばなを作ることも町要な課題でありましよう。しかし、習いはじめてまず必要なことは「いけばなを作る技法」と「どんな形に作るのか」という、直接的品本的な問題です。みなさんは、すでに瓶花盛花をお翌いになつておられる方逹ですから活ける技法については常に勉弥しておられることと息いますが、ここでは、「桑原専脳流の基本花形」について、必要な範囲の練料用花形を系統的にならべて説明しようと思います。写真でみることですから、花枝の奥行や、前方への浮き出る状態など不十分とは息いますが、解説を読みつつ理解していただきたいと希望する次第です。なお、これまでもお話しています様に、基本花形そのものは、もちろん美しい形をもつていますが、これを研究して、次にこれの応用的な形を作ること、さらに、上逹して自分の思うままの創作的な形を作り出すことが、最終の目的でありますから、いつまでも型にはまらない様に、自分の自由な考え方と花材の自然の個性を考えて、材料のひきたつ様な形に活けることが大切です。瓶花盛花は植物の自然個性を昨重するいけばなでありますが、形に活ける」「その形を作るための技術」というものは、昔から伝わってきた花道の技術方法を用いることが多く、その基本花形も、伝統立花生花の形から発生しております。ただ、これらの伝統いけばなの考え方や技法と迩う点は、瓶花盛花では、なるべく自然の花の姿のままでありたい、作者の考え方を自rlJにひろく活かす様にしたいと顧うことであります。これまでのテキストの各号でも、なるべく個性的な作品、野心的な花材の配合、変形的な調子、新しい工夫など、種々な試みの作品をお見せしていますが、とにかく、まず第一に「某本花形」をしつかり勉強して、その後、創作に入るという順序にしたいものです。なお、85号でも「甚本花形から応川花形へうつる考え方」について、写真説明をしようと思つております。「よい(専渓)毎月1回発行桑原専慶流No. 84 編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1970年6月発行いけばな

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