テキスト1970
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専渓大阪晶島犀で開催された「第3回日本いけばな芸術展」に出品の、専渓作立花です。材料は松、ハタウコン、ボケ、サボテン、ベニヅル、ツバキですが、伝統の形式の中に自然植物の個性を活かすことを考えて作った作品ということ、また、この立花には流暢な感じが深いという点に特徴のある作品、といえます。Rの作品は4月7日より12日までさて、この花器は「セメント」で作った花器ですが、ごらんの通り、ほとんどコンクリートで作った花器とは思えないほど、落将きもあり、色調も陶器のように見えます。そこで、この。ヘージではこの花器の作り方について、お話しようと思います。この花器は(いちばん広いところの直径)が七0センチ、高さは45センチ程度の大きさです。普通の花器としては必要以上の大きさですが、花展に使う花器としては、そんなに大きい花器とはいえません。実際に家庭の花器としては、高さで充分だと思いますが、これを作ることになると、どの場合も同じ工程が必要なのです。そこで、写真の花器を作った工作の手順、材料の分足、仕上げなどについてお話したいと思います。皆さんも自分で作られるようにおすすめします。大変趣味の深い楽しいもので、決してむづかしいものではありません。芯先生の降吉君が技巧た<みでして、ことに染色などに特殊な才能がありますので、そのお話をまじえて、ご参考に資したいと思います。Rの立花は高さ2メートル程度、横2メートル以上もあって花器もかなり重量がないと安定しませんので、こんな場合に陶20センチ程、直径20センチ程度器その他の花器では倒れる疑いがありますので、直虹のあるコンクリートの花器などが、最も適しているのです。ことに、自分の作ろうとする作品(立花でも、生花でも、瓶花でも)に調和する形や、意匠(色調も)自山に出米ますから迎想的です。それに、牝恭として最も必要な味わいや、品格も充分に出すことが出来ます。出来上ったものは、ほとんど陶器とは区別のつかないほど、精巧に仕上げることが出来ますし、また、そうでなければ品位もなく、低俗と⑧ いうことになります。陶器師がみてもコンクリート造りとは見えないほどの工作であることこれが必ず価つていること、これを目椋として作ります。それには種々な工作上のテクニックが必要です。Rの写真の花器をRにその部分を示してありますが、色調は褐色を主調に沈んだ黄色と、ある部分に渋い青色の部分があります。もちろん幾度も色を重ね合せて、油絵のカンパスに向うような気持ちで若色をしました。りごR (上の立花の花器と,その部分)花器を作る考案とそのエ程10

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