テキスト1970
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ヽ---西村松庵R栴R草の立花の111で「芹」そう、というのは、すべて水盤挿しの立花のことである。砂鉢に立てた立花が草の体で、その中にまた、卒の真、草の行、草の草と三段にわかれており、ここに掲載した西村松庵作の砂ものは「草の草」という形で、いいかえれば、立花の中で最もくだけた形、自然趣味の深い形といえる。この図をみると、ひろやかな形の中に、立花の技巧から自然写実の方向へ進もうとする意欲が見える。やがて生花(せいか)にうつり変ろうとする、そのきざしの様なものがうかがわれるではないか。、あをもじ、白つばきクンシラン、この立花図を現代花にかえてみた。材料は、梅の古木と右方へ横線にのびた梅の枝、実つきのものは青もじといつて、黒もじの実の緑のもの、クンシランのオレンジ色、椿の白、つげの褐色、この五種で作った盛花である。この立花は左勝手の花形で、右下の長い枝は本来は左方につくべきを、反対側にもつてきて、しかも息い切つて水平に長くさし出している。実に放胆な作風ということができる。盛花と比較して考えて下さい。立花(西村松庵作)つげ(盛花)7 ... . -R 草R

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