テキスト1970
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と染めわけた陶器で、よくひきしまった格好です。これにラッパスイセンを1本さしました。配色もよく形もよく調和していると思います。日本趣味の器ですからしずかな感じでみられますし、間の窓ぎわへなど、調和すると思います。右の小さい瓶は、ガラスの香水入れです。ついています。猥い赤色の瓶にラッ。ハスイセン、色も形もよく調和しています。R日本洒のお徳利、淡い青色と黒床の口もとに金色の金具がR下の写真の左に置いてあるのは、ボンボン入れのガラス韮です。つまみのあるふたがとれます。水を少し入れて剣山は使わないで、さくら草(プリムラ)の花を1本たてました。前の方にみえるように緑の葉がみえます。美しい感じです。右の方に四いてあるおさかづき、白地に朱色の線の入っている陶器です。これもさくら草を1本首みじかくもたせました。を2枚入れて、淡紅と黄みどりの色いけばなは美術ですから、なによりも多くのものに接して、そのものの「美」を理解することが大切なのです。もちろんそんな純真な気持ちでものをみても、相手が平凡なものもあるし低劣なものもあります。しかし、常に美しいものを知ろうとする心は、やがて自分の心を高くしてゆきますし、すでにしつかりとして理解や批判力をもつておられる方は、いけばなを見るときも、その力を転じて、いけばなの真実の美、新しい美に対して理解をすればよいわけです。これは、いけばなのどの場合にも共通することであって、しかも、これは羽1うことではなくて、からがっちかうことなのです。日常生活のうちに文学美術、その他の芙しいものを理解する目を常に益いたいと思います。心の中にっちかい養った「美」を知るこころは、やがては、いけばなの新しいものを作る場合に役立つことになります。美しいもの、といつても、どれが「美」かということは、それを知る心の中の尺度が必要ということになりましよう。私は、このページの解説の中で、自由に美しいものを工夫して下さいといいましたが、それを手軽るに出し褐る心の用意を、常に捉つて欲しいと思つのです。自分みず二つづつ罹いてありますが、二つひと組みではあり―つづつ、飾りつける目的のお花ら、そのつもりでみて下さい。ません。ですかR R 12

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