テキスト1970
132/136

竹器の新しい考案を作つてみましたが、中々むづかしいものです。急な思いつきであったので、充分、ねれた考え方でない関係もあって、写真にしてみると、どうかな、と思う程度のものですが、その中でも7ページの丸角の穴のある花器と、8。ヘージの舟型の花器は、活けても面白<竹器の形も、比較的よいのではないかと思つています。さて、このページの瓶花と盛花についてお話しをしましよう。cの作品はサンキライ、ふ入り菓の椿2種の瓶花です。サンキライ(山帰来、または猿飛いばら)は夏に黄緑の実をつける山いばらですが晩秋から冬季にかけて実が赤く色づき、瓶花の材料として適しています。ひろがりのある材料ですから、花形も左右にのびやかな形に作り上げましたが(対照型)、変型の陶器によく調和した形です。この材料は軽やかさ、というところに個性のある材料で、あしらいの花も日本趣味の桔梗、百合、菊、山菊、椿などの種類がよく調和します。写真の椿は、菓に白くふ入りの椿ですが、この撮影のHに咲いた花がなく、葉だけで調子をとりましたが、やはり花の色がみえないと少し淋しく感じます。花形はいいのですが、色彩的には物足りない瓶花といえます。とにかく参考に掲載しておきます。c ⑪ ヵ、。⑪デンファーレ(洋蘭)レット2種の盛花です。花堺は福色に黄色の腰高水槃です。デンファーレの紫赤の濃艶な色彩が美しく、マーガレットの緑の葉と白花の取合せは、花形としては温和な平凡な形ですが、目も醒めるような色彩の美しさのある花です。時として気軽な感じで、こんな盛花を活けるのも楽しいではありません・マーガマーガレットという材料は、案外活けにくい材料です。花も軽やかな形ですが、花の高さ向きなどが不揃いで、業もだらりとするものが多くその点に注意がいります。マーガレットという名と、花の感覚は実にいいものですが、活けて思いのほか、がつかりする花です。とにかく理屈ばらずに美しい花をみる気持ちの盛化ということができます。,

元のページ  ../index.html#132

このブックを見る