テキスト1970
119/136

⑨朝日ばらんというのは、葉先の白い、くまじろのばらんである。足が短かく葉にくせがあって、盛花にはよいが、生花には活けにくいばらんである。しかし、くせをうまく利用すれば案外面白い形が作れるかも知れないと思いながら活けたのが、この生花である。普通の調子にはなりにくいので葉の形を利用して、自然の形にそいながら活けたという生花である。出来上ったこの生花は真が右に亜れて、この花形は「真流し」という形で、中央に高く直に立つているのは「見越」、左に出た葉は副、中央のまん中の大葉(巻き葉)は胴、その下の総かこい、真の下の直立の小葉は控、右へ流れる様な葉は留、以上七枚である。活け上げてみると中々面白い花形だが、葉にくせがあるだけに活けにくい。普通のばらんとは質が硬く足も短かいし、葉を自由に選択することが出来ないので、材料の行くままに形をきめるといった考え方でないと活からない材料である。個性の強いこんな材料を活けこなすのも生花の楽しみの―つである。c cとくさ5本、百合4本の軽やかな瓶花である。花器は赤褐色のヤキシメの陶器、安定戊心のある新しい形の花器である。自分の好きな花器というものは幾度いけても調子よく花がおさまるもので、この花器も花うつりのよい花器といえる。前。ヘージのだえん形の水盤は、私の嫌いな花器なので、活けにくいのかも知れない。皆さんもきつとそんなことがあるに違いない。すきな花器は活けやすいし、幾度となく使うことが多くなるものである。⑪あさひばらん(生花)cとくさ白百合このとくさは南方地方に栽培される種類で、高さ1メーターもあって茎も太く、小さいわかれた細い茎が多数ついている。この細いくきをとり去つて、中心の太い茉だけを活けるのがよい。百合の閲花っぽみを前方左右に配よい材料だから、簡単によい花が作れる。とくさには袢花のカーネーション、ガーベラ、バラなども調和よく、和趣の菊、りんどう、つばき、などもよく聞和する。7 nn直して調子をとる。形と色の調和の⑪

元のページ  ../index.html#119

このブックを見る