テキスト1970
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ざくろの葉は水揚が悪く、また形もよくないのでとり去つて活けるのがよい。木ぶりも美しくないので軽い枝を小最使うようにする。ばらんの先の白い種類のものは「朝日ばらん」という。ひまわりの実は特殊な栽培法で大きい花を咲かせ、それを乾知して枯花を瓶花に使う。ひまわりの足もとに添えた筒状の花は「サラセニア」という、サラセニアは熱帯地方の水草で、この写衷のものは葉で、花は別にある。これが葉とは随分変った植物だが、ネ。ヘンセスと同様、食虫植物である。この2作は二つとも材料の配合を少しかえて活けてみた。色彩的にも渋い好みの中にはなやかさがあり、それぞれ特徴をもった花といえる。また、明るい感じの花といえる。花器は黒色の陶器である。ざくろの葉をとり去つて、まばらな枝の線をよくみえるようにし、その枝線が交叉して変化のあるように配陀した。ざくろの枝幹は美しくないので、それをかくすようにばらんの緑の葉を立てて、足もとをおおい、狛の葉の緑とともに、新鮮な廊じをもたせるように考えた。朝日ばらんは葉先がくま白になって美しい葉なので、瓶花盛花の材料には適している。この場合、葉の向きに注意して入れることが必要である。ばらんの葉の入れ方によって全体の花形がすつかりこわれてしまう。菊を最後に入れる。枯れがれとした木ものにみずみずしい草花を入れるのは調和のよいものである。R花器は褐色の備前焼の壷である。花器に比較してヒマワリの実が大きく重たげに見えるが、これは前方につき出ているために写真では大きく写つているので、実際ではそれほどではない。ヒマワリの枯花の褐色、サラセニアの緑と梃色、ダリアは紫赤の大輪3本の配合である。ダリアの緑の葉もみずみずしい。材料の種類も色の配合もなんとなく変った感じの瓶花で、異国情紹のある瓶花といえよう。枯花枯実に緑の葉、色彩の美しい花をつけると取合せとして、きわ立つて美しくみえるものである。述の枯実にテッポウユリ、紅つばきなど、これの一例である。2 RR .,~、;・. , . , .' ,. . -ざくろ白菊ひまわり枯花くま白ばらんダリアサラセニアR@ @

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