テキスト1970
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25枚程度が最高で、それ以上は多く伝統的な生花では花形の基本といわれるのがこの「ばらん」である。―つの花形を作るには、3枚、5枚、7枚、9枚、11枚、13枚程度が普通の分量であって、この程度の分贔が上品にみられる花形となる。それ以上多く活けることも出来るが、なるほど品格がさがる。普通の花としては9枚、11枚程度が適度だろう。Rばらんよくすることが出来るので、大小の葉、形のよい葉をよく選んで活ける。9枚活けようとするときは最低15枚が必要で、その中から選択する。で、時間をかけるほど、よい花が出来ないものである。真、副、見越、真かこい、胴、胴の沈み、留、総かこい、控の位置に一枚ずつ入っている。ばらんは活け方に工夫のいるもので、あまり窮屈に考えるとかえつて活けにくい。葉を左右に動かしつつ最後の出来上りのよい様に、楽な調子で仕上げる。ばらんは葉の選択によって花形をなるべく手早く活けることが大切写真のばらんは右勝手の行の形で気軽るな感じで挿して行くこと、に1本ずつ、単調だけれど美しいおそい紫陽花を褐色の陶器に活けた。備前焼の若い陶エが作った壷で、よくしまった形が要点をしつかりつかんで、新しい感じのする花器である。この花は9月5日に活けたのだが、残りのあじさいが褐色の細い花器によく調和していると思う。真、副、胴、密、控の五つの場所感じがする。生花というと枝や花あじさいを多く配列して、技巧の複雑なのが優れているように考えられやすいが、瓶花を活けるような気持で技巧よりも花の美しさに重点をおくような考え方も必要である。単純である方が美しいという場合がよくある。また単純であることが平易であるとは考えられないが、この生花のように、淡泊ですつきりとした花形も見る人に美しさを感じさせるものである。このあじさいは葉をかなり多くとり去つて活けた。この場合は花の配列も大切だが、葉の用い方、応用のし方、葉で形を作るという考え方も大切である。足もとを低くして安定感のある花形を作りあげた。3 ‘ ,,, ⑧R @ 生農花か

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