テキスト1969
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この月は砲の花器をあつめて、そのいけ方、その趣味考案について説明した。篭の種類は14種である。普通、家庭に使われている篭花器は手付篭が多く、形もそんなに変つたものがない様に息う。ここに見られる篭花器は変化のあるものが多く、花を活けても大きくも活けることができ、また小さくも人るという、いわゆる動きのとれる花器が多い。普通の手付篭では、いけばなの形も制限され、篭の花はこんな趣味のものという、制約をうける性虹の花器が多い様に思う。もっと自由な気持ちで篭を利用するこにとすれば、而白いいけばなを作ることもできるし、花の材料にしても、陶器の壺と同様、もつとおおらかな慇じで選択することができるに迩いない。篭の選択を自由にすることは、活けるのにも楽だし、果もの臨や、菓チの意匠篭まで自由に選ぶことができて、のびやかないけばなを作ることが可能であるに迩いない。篭の花器というと、なんだか一っのとらわれがある様な慇じがするので、自由さがなくなるのではないか。最近、迄花器を使う人が少なくなった。啜花器の作家も大いに反省すべきではないだろうか。A B R白竹の横に長いだえん形の筍゜かなりたっぷりとした篭である。手のある篭はどの場合でも、手の美しく見える様に考えて活けることが大切である。手を花材でかくしては、手をつけた意味がない。美しく見せる技法が必要ということになる。花の大部分は手の前方へ挿すのだが、手の後方の部分にも小量の材料を入れ、これは背を低くするのが形がよい。花材は「笹百合、あざみ、べにしだ」の三種で、自然趣味の材料をあつめて季節感のある花といえる。前ページのふとい、山梨、あざみと同じ趣味の取り合せである。青葉の雪柳、桔梗、むくげの花、こんな取合せもこれと同じ感じの花となるだろう。こ。t R紫の花のテッセン、しようぶの葉だけを使って2種の投入れを活け前。ヘージにふといを活けた「かつら篭」である。この篭は京都三条東山、森田の作品で大まかな感じが中々よく出来ている。花の中には写真うつりの悪いものがある。このテッセンの紫、桔梗の紫、なたねの葉、これらはいずれも撮影のむづかしい代表で、苦心するのだが息う様にならない。カラーでとらないと感じの出ない花である。さてこの作品、テッセンは竹つきのままで入れ、その後方に菖蒲の葉を挿したが、こまごまとしたテッセンに対照して、直線の菖蒲の業の配合を考えた。淡泊な六月の投入花。... ... ... 10

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