テキスト1969
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.. とうであんだ手提篭である、まん中に手があるので、左右にわけて花を入れる、中央の篭の手がみえるように活ける。まん中に手のある籠手の大きい古風な恐、誤い黒褐色にさびた光沢があり、落舒きのある品格をもつている。これの手の大きくひろがったものを牡丹篭といい、仏統の仕花を活けるのに使われたものである。軽やかにしようしやな投人篭に比較して、これは重々しい形式を慇じる篭の花器ということができる。古い美術品ともいえる篭である。この絵を写生したのは余程以前のことだが、床の間に飾りつけて、かけ軸一輻、この篭の花一瓶の床飾りは、まことに高雅な伝統の唐物籠からものかご品格を慇じられたものである。この写図の花は「びよおやなぎ」の茨花に「小鬼百合」の朱色の花をあしらった投人花で、八jJょり七月へかけての花材である。ど作られることが少なく、古い技術を伝承する一部の作家の作品を稀にみるのみとなったが、江戸時代には籠の名器、古銅器の優れた花瓶など、らしく、そのころの花道が、こんな重厚な花器に調和する厚味のある作品であったことも考えられるのである。晶和しにくい。特殊な場合をのぞいて、今日的な花器を使いたいものである。この様な伝統的な砲は、ロハ今ではほとんいけばなに使われていた今日のいけばなは、今日の花器でないと7 ..... 新緑のヤマナシの白緑にナデシコの赤,キキョウの紫が美しい配色である。たつぷりとした初夏の盛花といえる。花材は,ヤマナシ,ナデシコ,キキヨウの3秤である。汐まん中に手があるので,ふた株に活けることになり,分休花型と同じ考え方で活けることになる。落しを2つ使って別々に入れる。ゅったりとした形の中に色調を考える。

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