テキスト1969
82/147

竹、あけびのつるなどで編んだ飽で、あみめを荒く作り、内部の見える様な疱を「透しかご」という。内部の見えるのを利用して篭の中へ花を入れて、あみめを返して花をみる、という意匠的な工夫である。この稲類のもので形の変った篭も、いろいろあるが、写真の篭もその一種といえる。この篭は手提篭なのだが、これを利用してすかしかご「すかしかご」の括け方をした、ということでもある。内部に活けた花が見えるというのが特徴だから、花の材料も大輪咲きの花、色の美しい花が効果的である。菊、百合、ダリア、バラなどの花が適当な材料である。篭の外の花と、中の花との調和も考え形をつくることになる。また、篭の外部には花を出さず内部だけ、というのも面白い意匠であろう。明るいモダンな篭のいけばなである。仏統的の古い形、うつし、の篭である。左の写頁と、対ページの絵の鼈は、少し形が迩うが二つとも同じ形式の篭で、時代篭ともいわれる。この写真の篭は京都の大徳寺付近に住む篭師の作ったもので、細い竹ひごで編み、全体が怪やかに作られている。花は「ななかまど、ためとも百合、秋mまとめることもある。この篭に牛花を活けぶき」の三莉で、怪やかな材料を遥んで電に調和するように考えた。怒の形が古風な形なので、なんとなくこの投人れは落杵いた恣じの花となつているが、ー品な趣味の花といえる。篭の手が人「肝物写し」からものきく高いので、まるくのびた手の内へ花がおさまる様に考えて活けたが、こんな滝は手の形ががくぶちの様な役目をして、そのりんかくの中に花がおさまる様に考えて活ける楊合もある。写真の投入れは右方へななかまどの枝をさし出してあるが、或は手の内だけで形をるとよく謁和する。牡丹一秤、かきつばた一種、菊一秤の生花などよく晶和する。その場合は、手のりんかくの中で花形をととのえる。古風な活け方であるが、土品な趣味の生花である。6 .... . ••••

元のページ  ../index.html#82

このブックを見る