テキスト1969
78/147

利用することも多いR花器は民芸屋でみつけた「電灯のシェード」、潔白した柳の枝で編んだものらしいが、はつきりわからない。とにかく形が而白いので使ってみた。ほとんど白いあみ目が案外、明るい憾じをもつている。シエードだから明るくてあたりまえ、かも知れないが、腰高のたっぷりとした形が新鮮にみえる。枚の投人花である。篭のいけばなというと、しずかな感じが常識のようになつているが、このグラジオラスの赤3木、テッボウユリ2本、ぎぼうしの葉2いけばなからは、そんな磁じよりも今日のいけばなの明快な感じをうけるのではないだろうか。この容器はシェードだから脳はない。中箇を使つてそれに挿してあるのだが、内部がたっぷりとして、かなり派手やかな花がはいる。これがシエードとはみえない落ちつきがある。こんな家庭用具の中に考えて利用すると、血白いものが随分あると忍う。値段も五00円程度だったと息うのだが、底がなく人きくぬけているので壷を落しに使っても楽に置ける。B RAの花器と同じシエードの応用花器。こんどは逆に向けて下ひろがりにすえてみる。これも中々おもしろい形である。口もとは間径10センチほどあるから花も挿しやすい。屯灯の笠には熱に危険だから、これはむしろ花器として適していると息いながら、さて、花は洋秤のシャクヤの葉2枚。温い紅の大輪咲袢柿シャクヤク、ク3本、庭で切りとったシュロチクシュロチクの談い緑の菜の形。これは棗華にして新鮮、悠然とした賎かさ、たっぷりとしたうるおい、仝<よい花となった白い花器に濃原な色彩の花が目もさめる様に美しい。5分間で出来上った花なのだが、悦点にびったりという花である。いけばなに必要なことは、般かな秤想を、そのまますぐ形に作り得る技術、これでよいという日信。それらがうるおいのある作品をつくることとなる。2 U家庭用品の籠をいけばなに

元のページ  ../index.html#78

このブックを見る