テキスト1969
76/147

いけばなの形式だから、こうしなくてはならない、という考え方から少し離れて、自分のいけばなはこうだと、という様な、そんな自分自身の考え方をまず持つこと、そして自由なおおらかな花をいけることがたいせつであります。その上に、それを作りあらわす技法を専門的に習うことになれば理想的であります。複雑な花型にいける必要もありません。いちばん感じのよい姿はどんなであろうかと考えて花器に入れます。ただ新鮮な花をたえずとり替えて、いつも美しい花のある部屋にしたいものです。いけ方のじようずであることは望ましいことですが、同時に上品な趣味であること、今日的な新しい感じが欲しいこと、花器も花も美しい色彩のあることが必要です。渋い味わいの材料の中にも新しい感じを汲みとることができますし、洋花でも、いけ方によっては古さびたものになります。それは、活ける人の考え方によってあらわれるものでありますから、いけばなの考え方は、いける人の思考がいかにあるかということによって定まる性格のものであります。ら)いけばなの考え方(NHK婦人百科か桑原素子1本の花でも、新しそうな花をいけるとき、まず最初に考えることは、花器にどうとめるかということですが、留め方には瓶花、盛花とそれぞれいろいろな方法があります。要はうまく留まればよいわけ瓶花・盛花の留め方なのですが、左図にはその代表的な方法を示しました。花器花材によっての違いをそれぞれ理解して下さい。四季の花材は随分、種類が多いのですが、細いもの太いもの、柔らかい草花、かたい買の木の材料のように、いろいろ性質が変つていますから、活ける材料によって留め方にも工夫がいるわけです。その中で瓶花の場合は丁字留を使T字留をかけ,はうことがいちばん多く、盛花の場合は剣山にさすことが多いのですが、材料によって普通にはいかない場合があり、特殊な工夫をしなければならない場合もあるわけです。左図はその一般的な留め方を示してありますが、例えば「アス。ハラカス」の様に足もとの細いものは株もとに針をさして留めるのがよく、ガラス器の様に内部の花材の足もとのすけて見えるものは、針で丁字留をすると美しく処理することができます。また、アマリリスの様に草花の軸が空洞になつているものは、剣山にさしても倒れやすいから、そんな場合は、花材を立てる前に、剣山に竹片をさして置き、それヘアマリリスの軸をさし入れる様にします。菜のはなの太く柔らかいもの、ダリアの重い花など同じ様にして留めます。`/口///`/9/2[:I(盛花)す剣山を使う,底の狭い花器には砂を入れて剣山を安定させる細い茎の材料は草花の茎にさし,それを剣山にさすかたい木ものは足もとを細くしてさ太い木ものは株もとを割つて剣山にさすしつぽう花留にさすときはたてせんをつめて留める特に太い木ものは足もとに板を釘うちにして金具をのせる太い木ものは丸い金属の花留具を使用する(豚瓦花器に十文字のくばり木をかけるT字留をかけることがいちばん多いりがねでしばる足の短いものはつぎ足をしてT字留にする足もとに木片を釘で打ちつけてT字留にする花器より抜け落ちる枝には竹片をかけておさえる細い草花には,細い竹または針でT字留にする花)l2

元のページ  ../index.html#76

このブックを見る