テキスト1969
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R Rかきつばたの生花にはいろいろな花型があります。その初花の三月から盛季の万月まで、初期盛期によつて活け方が変ることも、このI花の特徴といえましよう。また、花器によって挿し方が変ることもあり、中々複雑なものです。葉組みをして形を作って行くのですが、3枚糾、5枚糾、2枚組などの区別があって成長した葉は3枚5枚組を長く作り、若葉は2枚組と、3枚組みの若葉を低く作ることになっています。花は2本、3本、5本をそれぞれ一瓶に用いますが、3本を頁、胴、留に使ういけ方がいちばん多いのです。その他、花沿によって一株挿、ニ株挿(わぶわけ)の区別があり、水盤の場合は「水切葉」といつて水I⑧かきつばた一株生の生花です。この作品は盛季をすぎて終季の頃の「乱れ」の感じの活け方です。頁とその後方に3本の鳴花をひとところに挿して、葉も自然の糾みのまま使ってあります。残花の慇じを生花の花別と調和させて、なるべく自然風な感じに仕上げます。胴留の組みは規格通り糾んで、ここで生花のしまりをみせます。花は全体に高くして、胴留の2本はつぼみを入れます。上部では満開の花を揃えてさし、下部ではつぼみをみせから出化する若葉の姿を写実的にうつして、水盤生のとき用いることもあります。写真④ほ、盛季のかきつばたを水盤株分挿(かぶわけざし)に活けたものですが、主株(おもかぶ)に、頁、真の後方、副、胴、留の各部に葉組みを入れ、花は真、胴に2本用い、留の若葉は控と留の位附のその中間の場所に挿して、留控を兼ねております。子株(こかぶ)には留の長い葉、その後方の留の沈みの葉を入れます。花はおもかぶの真胴に2本、こかぶの留に1本さします。かきつばたの初期には花を低く使い、盛季になるにつれて高くさし、葉糾みもやや荒く作って、季節感を出します。て、残花のなを立ち登る姿をみせます。この活け方は株分けに活けてもよいのですが、葉組みの数に比較して花を多く入れるのが特徴となつています。初季のかきつばたは葉糾みを多く使って花を少なく、盛季よりは花を多くさし入れて、季節感を出します。葉糾みを作る場合には、一枚一枚のくせをよく選んで、少しまがりのある葉を適所に使うようにして、花型にまるみをつける様に考えると、風雅に流麗な花型が作れます。.. 6 か苔つ(BJ (生花)せいかばた

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