R庭に植えた「しますすき」の若葉が一メーターほどにのびてきたので、二、三本切りとり、これに鉢植のあじさい「ハイトランヂア」を2本切りとつて、これも庭の隅にのびはじめた「がくあじさい」の若葉を1本そえて盛花を作った。花器は紺色の大鉢でイタリヤ陶器のサラダボール、ほとんど黒に近い青色の花器に緑の葉、水色のあじさい、しまがやの緑と白の葉が浮き立つような新鮮な色をみせて、さわやかな美しさを見せている。あじさいの花を後方におき、前方にがくの緑の葉、まん中にかやの葉を立てて、簡単に挿した盛花だが、材料に季節感があり、黒っぽい花器に新鮮なうるおいのある花材がよく調和して、みずみずしい感じの盛花である。活ける技巧よりも配合の上に初夏の気分を盛りこんだところによさがある盛花といえる。花器の左方に水の見える様にすかせてある。水色のハイトランヂアの花2本、これも鉢植から切りとった「アナナス」を添え、カラー（しらぼしかゆう）の葉3枚を加えて盛花を作った。黒く褐色の腰高の花器、くだもの盛りの様な形のこの陶器は、四方形の形のよい花器でどの花にもよく調和する。左右対照の花型だが、淡い青色、朱色、緑の葉の色彩が美しい配合になった。木の材料を加えないで、草花の水揚げのよい材料をこんなに取合せるの緑の中に赤い色の花2本と、軽やかな感じの中に明るい感じの花が作れる。この場合は、色彩の配合に注意することが必要であり、低く平らな形のうちにモダンな感じのあるように考えて、材料を選択することが大切である。花器の趣味とよく調和する花材を選ぶこと。右方に重い花、左方に軽い感じの花、その中の空間の形に注意して作ってある。洋間の棚の上に飾るとよい調和の盛花だろう。4 @ ハイトランヂヤ（洋種のあじさい）⑧ アナナスR シマガヤアジサイカラーアジサイ
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