テキスト1969
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c白竹の篭に中筒を人れ、それに剣山を入れてある。花材は、シマガヤ、キキョウ、スカシュリ、ナルコユリの葉、4稲の盛花である。初夏の材料をあつめた篭入れの盛花。立てじまのあるのがシマガヤ、柚段のあるのはヤハズのカヤ、山に野仕するのは百カヤ、と一般的にいわれる。穂の出ない嵐の頃はカヤといい、尾花の出る頃はススキという。軽やかなススキの曲線、スカシュリはオレンヂ色の花、キキョウの紫、.. ナルコユリの白いくまどりの葉、配色の文しい花である。初夏に入ると花の種類も変つてくるし、夏らしい清楚な感じのものが見られる様になる。瓶花盛花には夏の花らしいさっぽりとした感じのものが好ましいし、花器も俎、ガラス器などが季節慇があって調和がよい。基本型にとらわれない自然風な自由な形にさし、その中に引きしまりのある技巧が大切である。c ⑪黄色の花はスイートサルタン、これにナルコユリ2種の瓶花である。花器は淡い青色の壷、形が変つている。ナルコユリは露地栽培の草花だが、これによく似た形の野仕のものに「黄粕」オオセイ、というのがある。また黄精に小葉のものと大葉のものがある。薬草として用いられる。スイートサルタソの軽快な茎を、花器の口にもたせて、花の配列を考えた。自然に垂れる姿を少し阿い花器を選んで挿し、足もとにたっぷりとしたナルコユリの広葉でまとめた。花器の口より低く芹右、前へ花を垂れさせ垂体の花割を作った。こんな材料は自分の息う様な形にならないもので、自然の出来て行く形にまかせて、その中に花形を作る。3 ... ... c D スイートサルタンナルコユリシマガヤスカシユリキキヨウナルコユリ⑪

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