テキスト1969
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11胴主型の瓶花を2作いけて掲載したが、一っはこでまりとつばき、一つはさんしゅうとつばき、の同じ花型である。同じ花型といつても、こでまりとさんしゅうは、材料の個性もことなり、形も違う材料なので、それぞれ変化のある花形となつている。基本型はものさしではかる様に型にはめるのではなくて、花の個性によって、その花材の活きる様に考えつつ、基本型のこころによるという考え方が必要で、ちょうど、ここに二つの花材(同じ基本型)の花型を見て、その言葉の意味を知って欲しい。.. cは胴主型の正而図である。さんしゅうの枝に変化があつて、大変風雅な形だが、特に胴主型の形を作るために、胴の枝に変化のあるものを選んで、また少しためて曲を作り前方へ強くさし出し、その下へ小さい枝をそえた。真に一本入れ、その後方から副の部へかけて3本、小枝を入れたが、これはずつと後方に控えている。右方の椿の曲線のある枝が面白い形だが、これは控で、ずつと後方へり向く枝先がのびている。この幹(みき)の変化によって、全体の形がよくなった。.. c ⑪これはC図の側而である。上の写真(止而図)の側而とは見えないほどおとなしい形だが、そのまま横へ向けて写した写真なのである。左の枝が胴、中央の2本は頁、右のさんしゅうは控である。止而から見える椿の太く曲った幹は、側血ではずつと右に見える。正面から見て随分変化のある花型も、柚からみれば平凡な彫にすぎない°ただ奥行がかなり深いし、胴主型の花は前方へ強く胴のはり出ている調子がよくわかる。胴キ即の形は、この様に横ひろがりの形であるから、草花の瓶花盛花には適した形ではない。冬から石へかけての花木もの、夏の古葉の山木などに適した花型である。また厚みのある形だから、広間の花、会場の作品として適渭な形といえる。D 私の屈間は、まず四四半である。まずというのは、変調な間どりなので実際は横長の五監ほどの小さい部屋なのである。南向きに広い心念があつて、日あたりのよい庭に面している。庭には椿が五、ハ利みえ、その間に四方竹がみえる。このごろ、窓ぎわに一メーターほどの横長のテーブルをおいて、ここへいけばなを飾ることにしている。はば30センチほどの細長い合で黒塗りの明るい感じのテープルである。今、ここに活けてあるのは「八軍ざくら」の小品の生花が一瓶、それに「ぽけ」の盆栽が一鉢おいてある。朱色のぼけは百向さ25センチ程度の低い鉢もので、朱色の花と緑の葉が美しい。似ざしがよいので冬も温室の様に暖かいので、化も水楊がよく、鉢花も新鮮な花を次々とさかせる。夜おそく鉢ものを水ばたにおろして朝、水をやり心念ぎわに飾る。そのとき、いけばなも水ばたへもつていつて、花器に溢れる様に水を入れる。毎朝くりかえしているのだが、切りばなもこんなにすると、いつも新鮮な花が咲き訴々として気持ちがよい。ときどき木もののいけばなには水をかけて洗う様にする。太陽の光と新しい水は、いけばなにも必疫な条件といえる。(専渓)私の居間5 •••••

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