テキスト1969
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一月より四月まで、春は木に花の咲く、いわゆる「花木」かほくの季節である。梅、つばき、桜、もくれん、の様に木の花の咲くシーズンだが、ボケは12月より3月まで、普通は高さ1メーター程度のかんほくで、細い枝さきにぱっちりとした美しい花を咲かせて、朱色、白色、淡紅その他、これも種類の多い花である。木ぶりも花の形も、なんとなく雅致の深い花であって、椿、なたね、水仙などと取合せるとよい調和だが、ここにかかげた3枚の写真は、「同じ材料を三つに活けかえる」、その参考の作品である。花木の花材は、枝振りのみかたによっては、形が変つて見え、使い方によっておもしろい花型がいろいろ出来る。あしらいに挿してある「薮椿」も枝振りに変化のあるもので、この2種を主材に、いろいろ変化のある様に活けてみたe花器は渋い青色の手付コンポーで、安定感のあるこの花器はぼけのがつしりとした形をよくうけとめて調和がよい。このほけは、普通のものではなくて枝幹も太く、年をへたト.. 木振りだが、多分、これは盆栽に仕上げる前の台木(だいほく)ものであろうと思っ゜普通のほけの枝はもつと細くのびているがそれの方が自然であつて、手に入りやすい材料である。ここでは、太い樹幹の材料を使うその参考として見ていただけばよい。てっぽうゆり、ラッパスイセン、菊、スカシュリ、カユウ、かきつばた、都忘れ、なたね等、調和がよく、ほけに松、ひらぎ、つばき各種など木ものの葉をつけると、強くさびた感じの取合せになる。椿椿薮薮ヶヶRぼけの幹を手にとつてみて、形のよいところを見たてて、剣山にとめる。太い木ものは切り口を鉛筆の先の様にとがらせて挿す。少し前へ傾け、その後方ヘカユウを3本、長短に調子をつける。ボケの枝幹を通してみえるカユウの茎の緑が新鮮でヵユゥの三種の材料の色感が美しい。ある。やぶ椿の赤と濃い緑の葉、こ横にひろがりのある、たっぷりとした瓶花である。ボボの様なRぼけの枝をぐるつとかえて花器におさめた。椿の枝を中間に長く、さし出して、この花型は「中間主型」の形である。8ページの基本花型の写真とみくらべて下さい、同じ花型である。アイリスを中間に4本、少し前へ傾けてさし、中央の下部へ椿の葉をさしだして花器の上へ重ねる。複雑にみえるが色彩的にも美しい。2 .... AB R @ アイリス...

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