テキスト1969
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⑧ここに掲載したサラセニアは、花か葉か区別がはつきりしない柏物だが、恐らくアマゾンなどの流域に水辺の雑草の中にシベラスなどとともに生育しているのであろう水草である。写真にある筒状のものが葉で右方の蘭の花の形をしたのが花であ花?葉?食虫蘭2種る。筒状に立つている4本が葉なのだが、この中に入ってきた小虫を溶かして営捉にする、奇妙な習性の植物である。葉は浅みどりと淡褐色、,LIと交つた色の少しグロテスクな感じのもの花は赤褐色に緑を交えた曲花の形をしている。この盛花は、赤褐色の変調な菊を添えて、花器もシンシャの濃い紅むらさき、仝体が褐色と渋い紅をとり合せた面白い色の作品である。菊の葉も黒ずんだ緑で、花、花器とも変った取合せといえる。R植物の中には虫の様な小動物を党従分にする珍らしい種類のものがある。熱帯地方では土地の栄益分が少なく柏物の自生するために、小動物を捕猥して営捉にする、というまことに植物か動物かわからない様な機能をもった種類のものがある。このページの二種の植物、「ネ。ヘンセス」と「サラセニア」がそれでこの二つは袋の様な形の中に水液をもつており、袋の中に虫が入ると溶かせてしまう、奇妙な作用をもつている。「食虫岡」といわれている種類である。Rは「ネペンセス」で、菜の先に花の様な褐色の袋をもつており、これは菜の尖端の祁分が花になつている様にも考えられ、また、菜の部分は花の"条の部分かとも息われる調な柏物である。乖れろ形の材料なので、高い楊所か花器の背高いものを選んで活けると満和よくみられる。写真の瓶花は淡褐色と黒の花瓶にネ。ヘンセス、白百合の2稲を活けたが、ネペンセスの渋い紅色と褐色と咽棗の緑、百合の白との色彩も、明る<落着きがあり形の上にも変化のある材料なので、なんとなく異国趣味をただよわせていると思う。ネペンセスの配列に注意して活けた。、変6 @ サラセニア紅菊・'A> ネペンセス白百合

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