テキスト1969
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R莉雄から周山への迎にそうて一方は山、一方は谷川である。山ぞいの石柏の上に杉林があって、そのくさむらに「藤袴」の白い花が咲いている。ちょうど卯の花の様に垂れ下ったフジバカマを石崖にのぼりついて切りとる。フジバカマは女郎花のような形に前立して咲くものだが、場所によってはこんなに垂れ下つて花を咲かせることもある。協あたりのよいくさむらに咲く藤袴は、渋い紅色の花を咲かせるものだが、賜かげのものは花も白く咲き、茎も柔らかくほそぼそとしている。切ると間もなくしおれたが、谷川で水切りをすると勢いよくうるおいをとり戻した。7,^^ R野趣の深い藤袴の花を、手附きの牡丹篭に活けた。篭の置き方を少し変えて、斜に位硲をすえてみると手の調子にも変化がみえ、花器全体の形に変化が見られて調子が面白い。藤袴を斜前にさし出す様に入れてみると、曲った茎の形ものびのびとして見える。そのうちの細い茎が1本、前方の右の方へ横切つてのびているのも楽な感じで自然らしい味わいがある。菊は淡い黄色の単弁中菊、中心のずいが淡い緑色で明るい感じの菊である。篭の手の右と左に菊をみせた入れ方もひろやかな感じがする。野草の花を菊の副材でぐっと引きしめた慇じである。c 4 ... . 花,器,緑色鉢且しだ白人輪菊R '-,,. R

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