テキスト1969
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秋花体哀2作① ② 瓶花と廂花の形には、活ける人の工夫考案のあることが大切です。いつもおきまりの形は平凡で、瓶花盛花には常に創作的な、白分だけの工夫のあることが望ましいのです。新しい形を考えることは、中々むづかしいことですが、美しく活けることとともに、常に変化のある花形を作ろうとする態度が必要なのです。述本型は練皆のための定型で、研究のすすむにつれて、り出そうとする努力がなければなりません。ここに掲載した写真は「平面的な盛花」と、まつすぐに立つ「立体」の二つです。平皿に盛った平面的な盛花と、直立の立体とは、対照的な形ですが、この花形は払本的な形でそんなに変ったものではありませんが、それぞれ材料の個性を活かすことのできる様に、適当な形を選んであります。皆さんも材料をもったとき、その花をよくみつめて、花を祈かして形を作ることです。自然に新しい花形が生れることになります。きまりきった平凡な形にとらわれない様に考えて下さい。新しい形を作①青磁の平皿にさんきらいの赤く色づいたもの1本、これを平らに流れるようなのびやかな形に左へさし出してあります。ダリアの白花を3本、これも短かく挿して平面的な盛花を作ったのです。ひろやかな感じの皿に、赤い実とダリアの白は、色彩的にも美しく、両磁色の水副の上に浮きたつ様なあざやかさをみせています。「平面体」というのは、平らに花を配列して上方より見る花形ですが、それを利用して作った、秋の盛花です。②いちょうけいとう、おみなえし2稲を殴紺色の手附広口花瓶に挿しました。けいとうと女郎花は、どちらも直立の草花ですが、この直な材料を二つとりあわせてみると、二つの花の個性がよく調和して、太いものと細いもの、浪紅と淡黄、形も色もしつくりと調和しています。趣味的にも秋の代表的な花2柾で、迎かな秋の感じが出ていると息います。花と花器と花形と、その上に季節感のある瓶花といえます。と,平:面誓立苫体衣

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