テキスト1969
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②布地の壁面には四角い額がかかつています。さびた金色の額橡、オランダ陶器の絵皿は明るい緑色の陶画です。1メーターあまりの高さの洋だんすは渋い黒褐色、テープルセンターをしき花器を飾りました。少し見上げる様な高さなので花形の下部につばきを垂れさせたのですが、少し横に向いているので調子が悪いです。撮影の際のミスでした。この配合は額の大きさとのバランスもよく、洋たんすの落若いた感じと、花の誤い好みとがよく調和していると息います。① ② 花器①この瓶花は渋い感じの配合です。花器は黄土色の陶器で、土器の感じのある広口花瓶です。程度の高さに比較しては口が広く、中に剣山を入れて留めました。花材は、椿の実つきの枝1木、黒く赤い巣辮の小菊、残花の桔梗3本のとり合せです。椿の実が前方に垂れてその枝をセ役にして巾央に山菊を高く低く、桔梗は芹方高くのびやかにさし出し、また、右方に長く平面的に出した桔梗、中央部は椿と山菊の重々しさがあるのだが、左右の桔梗がこれとは反対に軽快なのびを20センチ.. みせているのが対照的です。この辺がこの瓶花の技巧のあるところですが、ことに右方の細い桔梗の一とすじの茎が、どれほどこの瓶花を引き立てていることでしよう。1本の材料でもこんなに花型を変えることになるのですから、花の用い方もよく考えねばなりません。この瓶花は高い場所に飾りました。②の写真がそれですが、管き方が悪く少し芹方より見たことになつています。高い位附の花ですから、椿の枝が垂れているのも適当な花型であると思います。8 ツバキの実キキヨウ山菊土器様式広□花瓶

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