テキスト1969
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闊和ということは中々むづかしい。いけばなの場合、材料の配合、趣味の調和、色彩、感じ、いけばなの形と場所、それぞれびったりとした取合せをしたいものです。軽やかな塩所には少しくだけた感じの気軽な花が好ましいし、正しい感じの応接間や座敷には、しつかりとした正統派のいけばなを活けねばなりません。ここに並べた写真は、特殊な垢所の花ですからそれぞれ軽やかな小昂的な花が入っています。しかし、家庭の実際の装飾には、この程度のいけばなが一ばん実用的だと思います。生活のいけばな、とでもいえるいけばなです。③ ④ 花器③コバルト色の光沢のある壷です。そろばん玉の様な形をした陶界ですが、ひきしまりもあり小品ながらよい形をしています。剣山を入れガーベラの淡黄、淡約、談紅を4本。カラジュームの葉は緑と白の文しい紋様の葉2枚を配合して、軽やかな盛花を作りました。え、その後方にガーベラ4本、配列を考えて挿してあります。小さい部屋のことにテーブルの上の花ですから、筒単でさつばりとした花が適当であり、あまり技巧的な重たい感じのいけばなはよくないと思います。この盛花は形よりも色彩に注意した花といえます。葉2枚の糾み合せの形のよい様に考食事のための六畳ほどの小さい部屋です。正而の障子の向うにキッチンがあります。1メーター四角のテープル、その上に小品盛花を飾りました。これほどの小さい花ですと感じもよく、ことに手軽に活けられますから、いつも新鮮な花が活け替えできます。い部屋が大部分ですが、こんな小さい部屋には、小品の花を活けることにしております。要するに場所相応の省略したお花が必要だし、また、小品ながら感じのよい花を活けることが大切です。特殊な場所には特殊な花が望ましいわけです。食鎚というほどでもありませんが、私の家はいけばなの集りのために大き3 コバルト色の壷ガーベラカラジューム④

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