テキスト1969
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黒く福色の塗料仕上げのテイーテーブル、足もとに金色の線がななめに交叉している。フランス製のすつきりとした意匠である。美しい光沢の上へ、淡い掲色の変形の花瓶を置く。モダンな中に落ちつきのある配合である。花はさんきらいの、少し紅色をおびた実の茎1本、バラの紫紅色の渋い色の開花2輪、葉の濃緑、こんな取合せである。洋室の隅に飾れば調和がよいと思う瓶花である。台の高さは約50センチ、テーブルの面の横はば30センチ程度の小型のテイーテーブルである。軽やかな感じの台なので花器も小さいものを選cさんきらいばらび、花も淡泊に軽やかな感じに入れる。こんな花器には、大輪のダリアし、この写真のように日本趣味にもつてきて、花器より上は低く、右方へさんきらいをさげて、高い台とのバランスをとるのも―つの工夫である。カラジュームの葉の美しいもの3枚ばかり、ガーベラをそえて活けるのも調和がよいだろう。とにかく、花器と台が、モダンな趣味であるから、それらしい花と花型を選ぶように考える。こんな美しい塗りの台にはすりきずがつきやすいから、白いレースの小さいテーブルセンターを使うのがよいだろう。を2輪だけ入れるというのも美しいC D 白と白緑のたて線のかや、百合は紅と白のかのこゆり、七月から八月へかけて咲く一ばんおそい百合の花だが、花も美しく葉もたっぷりとして美しい。花器は備前焼の新しい感じの壷、渋い掲色の陶器。台は、自然木(しぜんぽく)の地板(じいた)である。じよりんぼくの地板といつているが、盆栽師の使⑪しまがやかのこゆり.. か.. う古風な趣味のものである。この花器と台は落ちついた日本趣味、文人趣味とでもいえるそんな配合である。百合の紅と緑の葉の上に重ねたやの葉の曲線が効果的である。みずみずしい感じで、日本の古典的なしずかな色の花といえる。地板というのは地面と同じ感じの板という意味と、木のきじをそのままみせた板という両方の意味からきた名である。3 . .

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