テキスト1968
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この。ヘージで韮本花型のお話をしばらくつづけようと111心つています。このテキストの初りで「瓶花盛花講座」というのを古いたのですが、それからだいぶにもなり、新しい読者の方もありますから、おけいこの手引きとして書くことにしました。なるべく、あなたとお話をするような気もちで、湛いて行きたいと息つていますので、質問などありましたら「テキスト編集部」までお手紙を下さると結構です。なお、この。ヘージでは」基本花劉の解説「だけにとどめて、その他にはふれないつもりですから、それもご承知下さいます様に。瓶花盛花の全般にわたる新しい教科書は来年度に入りまして、発行する予定で只今、このテキストとは別に、編集をすすめておりますので、まだ期間はかかりますが、なるべく早く稿了したいと思つております。さて、瓶花と盛花と二つにいいますが、この二つはほとんど同じ様な瓶花と盛花の基本型① もので、花型も材料の配合、色彩の取り合せなど、同じ考え方でよいわけで、ただ、壺と水盤との区別によつて名前が迩う程度のもので、ことに最近の花器は「壷と水盤」という様に簡単にわけることのできない様な、その中間の形式の花器が増していますので、以前のように、剣山やその他の花留具を使ったものが盛花で、使わない壷の花や篭人れの花が瓶花だという様に、区別がしにくいのです。しかし、地本的な考え方として、水盤と壷とは花別も技法も迎つている点がありますので、習う上には瓶花、盛花と区別するのが便利ですから、二つに区別して考える様にしています。括本花型としては瓶花と盛花は同じ形です。花器や留め方が違うだけで花型そのものは同じ形なのですただ盛花は花器の形が広くたっぷりとしていますので、活ける花形もたつぶりとした形に作り、材料も瓶花にくらべて少し分量を多く使う様になる、ということです。とくに注意することは、基本花型は練習のための花型であつて、それによって、枝葉花の配漑や長短とバランスなどをよく覚えること、留め方の練習、花型の奥行きや、足もとの技巧などを練野します。その練回を繰り返して、某本的な理解ができてくると、段々と自由な思うままの形を作ることになるわけです。なるべく早い期間に袖本花型の練四を繰返して、しつかりと払礎を党えてしまつて、それから創作的な作品を活けるようにして下さい。これから、ここに掲載する基本花型の写真は、よい作品ではありませんが花塑をわかりやすく説明するためのお手本ですから、そのつもりで見て下さい。それから、あまり拙本郡にこだわつていると、自然のうるおいのある材料をいがたにはめる様なことになり、瓶花盛花のほんとうの目的である新鮮な自由な作品を作ることが出来なくなります。これもよく理解しつつ某本花刑を勉強して下さい。このページにある版本的な作品と、他の。ヘージにある創作的な作品とをくらべてみて、その考え方の変化を理解することが大切です。はじめに覚えること基本花塑の中に次の様な三つの区別があることです。ー、花体の区別(斜体)(立体)(垂体)横にひろがる形は斜体といいます。立つ姿の形は立体といいます。垂れる花那を垂体といいます。2、花郡の区別(副主型)そえしゅけい(真主型)しんしゅけい(胴主型)どうしゆけい(留主型)とめしゅけい(中間主型)ちゅうかんしゅけい3、右勝手と左勝手(かつて)右方に表のある花型は右勝手、左方に表のある花型は左勝手。右向きの花、左向きの花という意味になります。次に―つの花型は六つの部分より成り立つている、ということです。真(しん)副(そえ)胴(どう)留(とめ)中問(ちゅうかん)控(ひかえ)以上の六つの部分で花型が作れるわけですが、木の枝ものにしても、草花の場合でも、それぞれの材料によって、花材の引き立つ様に作ることが必要ですから、自然に材料の長短や、その花材の個性にあった花型を作ることになります。例えば、大輪菊、女郎花、グラジオラス、花菖蒲の様な直立した花材は立体に入れ、なつはぜ、梅、桜、つつじの様に横にはる枝ものは斜体に入れた方がよく似合うし、つるもどき、こでまりの様に垂れた材料は―つの花型は六つの部分垂体に人れることが多いというわけです。―つの花体にある」ハつの部分の長短は基本型として大体、長さが定つていますが、これもその材料によって六つの部分を或は長く使い、短かくも使うことがあるというように、長短によっては花型が変つて見えることになります。基本型といつても、画一的に寸法まで定めるのではないのですから、花器とのバランスもよく考えて調和する様にします。大休の枝の附き方、形を定めるというのが褪本型の目的ですから、花の自然と調和する範囲で、あまり堅くならない様に活けることが大切です。さて、いけばなは形だけのよさのみではなく、それと同時に注意しなければならないことがいろいろあります。例えば留め方、材料の配合選択、色調、花器との配合、趣味と作品の感じ装飾のしかたこれらは同時に考えねばならぬことです。水揚のよい花を選ぶこと、水揚をよくすること、これも大切です。段々と進むにつれて考えることが多くなつてきますが、ここでは習いはじめのあなたのために、基本の形だけを説明することにしようと思っております。... 310

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