テキスト1968
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12月から3月までは温室栽培の美一月に自然に咲く花ほほとんど少い。つばき、ろうばい、早咲きの梅゜元日さくらという種類の桜は、一月に咲くが、実ものは、せんりよう、なんてん、おもと、暦みずき、ビラカンサスなど、色がさえて美しい。草花は、水仙、なたね、晩咲きの寒菊゜紅葉の岩かがみ、やぶこうじといつた程度の佗しいものがいけ花材料に使われる。しい花の季節である。バラ、アイリス、カーネーション、百合の類、ラッパスイセン、フリーヂヤ、洋蘭の類、その他に木ものの温室咲きのもの。まことに雪の季節に豊かな春の花が見られる。らな姿であるが、よく見ると、日々に早春の芽がふくらんで、寒冷の中に若やいだ色を見せる様になる。まに(せんりよう、すいせん)(ろうばい、つばき)(なたね、やぶこうじ)といった様な静かな花を活けるのも風雅であるし、また反対に温室花を使って、明るい春の花を活けるのも楽しいものである。意味でこの名がある。中国より渡って来た花木で、唐梅(からうめ)南京梅などという異名がある。香りがよく、いかにも中国趣味の花である。木ものはすつかり落葉して、まば一月のいけばなは自然の季節のま騰梅(ろうばい)白椿ろうばいは旧暦の猟月に咲く梅のこれに白椿を添えると調和がよい。自然に12月から1月へかけて咲き、黄色の残り葉もあつて風雅である。写真の瓶花は濃紺色の手附壷にこの二種を活けたが、ろうばいは枝振りがつんつんとし、柔か味がないがその中に独特の雅趣が感じられる花材である。枝線を通して見える椿の花葉も色が美しい。猟梅や山家も年の暮にして橙の木、カーネーションRR器のしつかりした安定感のある花瓶だいだいの実の重たげなのを、銅に入れて、左右に枝と実をわけて入れ、中央にカーネーションの紅赤交色の変った種類の花を5本入れた。明るい新年の瓶花といった感じの花。A B

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