テキスト1968
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と専渓カ―1J――京都には史蹟名勝として有名なところが多い。町の中から郊外までどこへ行っても伝統と歴史に包まれた町である。その京都の中で私の好きな場所を写真に撮影して、その風景と悠じの調和したいけばなを活けて、お目にかけましよう。三、四国つづけて見ようと思っているが、中には表向きの観光地といえない場所があるかも知れないが、とにかく、私の好きな場所を選択して、それにあわせて花を活けることにした。意匠花とでもいえる、そんないけばなである。写真は京都丹平写真クラプの小西進氏に担当してもらった。(導双)京都上賀茂神社の樟内に流れる楢の小川(ならのおがわ)である。風そよぐならのおがわの夕森はみそぎぞ夏のしるしなりける従二位家隆の歌にある楢の小川は、神社の北にある片岡山から源を発して、境内に入り、本殿の東から流れる御物忌川(おものいがわ)と、西からくる御手洗川(みたらいがわ)とが柏殿(はしどの)で合流して、ならの小川ということになる。清浄な水の流れと風雅な感じの深い史頻である。境内を出て、すぐこの写真の様に社家の土塀の前を静かに流れる。占い京都の面影を残す名勝といえる。.. らの小ぉ楢旦楢の小川の風雅を心において、盛花作った。材料は河骨(こうぽね)んの葉、二柾の取合せ"花器は、朱塗の漆器の長方形水盤である。静かに流れる小川には、そのむかし雑草におおわれた中に河骨やおもだかの様な水草が流れに浮きしずみして、色の小さい花を咲かせていたであろう、そんなイメージを心に描いて活けた盛花である。 ,'l、のし1されうお客転には、とにかくここへおし売りすることにしているっという愁覚に、どJか調和した風景であ黄金るっ水盤には、こんな花叩がよく謁和するに.. 私はこの小川が好きなので、京部をJjつれして、「いいところでしよう」と押古典的な日本のいけばなの「自然と水」この盛花は、分体花別の形で、横長い6 京都いけばな(` つォ``ヽ①

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