テキスト1968
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ヽ~゜ことにとにかくウる。「立花」をお見った。程は、あたり一めんを散乱させ、かさ高い材料をつみ、決してきれいごとで仕事のできるものではない。要である。作りやすい場所、十分に仕事のできる硲境というものが作品にも影勝することがあり、それに対する考え方が必要ということになる。/とおらない、全部「手信号」ということになる。「花を一本加える」などという手信号は、一体どういうなりますか°|—インドウのいけばなはむづかしいものだが、とりわけ百貨店の場合は、まことに厄介なことになる。次はホテルで立花を作ったお話をしましよう。これは最近のことだが、最近といつても二、三年以前のことだが、皆さんご承知の通り、アメリカのライシャワー大使が怖任されることになり、その頃、住友銀行の堀田頭取の東京のお邸でライシャワーご夫妻を拍待され、その席上で「いけばな」をお見せしたことがあった。なるべく伝統的な日本のいけばなという希望もあったので、ことに京都から私をわざわざお招きいただ<ことでもあるので、せするのが一ばんよいだろうと考えて、前日に東京へ行き堀田邸の内部を拝見、花器などをきめてその夜は赤坂のホテル・オオクラに宿泊した。さてその夜、このホテルの一室で立花を作る予定で、花瓶、材料、道具を(かなりかさ高い包み)部屋へもち込んだのだった。梱包をほどいて枝振りの張った木もの、松、つげ、あせび、びわなど、タイルの風呂場から洗面所まで、水をはつて材料をつけこんで、さて道具は、かま、のこぎり、かなづち、くぎ、なた、。ヘンチ、はりがねなど一めんにひろげて、まずこれでよしといよいよ仕事にとりかかった。午後9時から徹夜になり、出来上ったのが午前6時頃だったと思う。なにしろ二人部屋とはいいながら狭い部屋であり、やりにくいことおびただしい。大体、こんな高級なホテルの部屋で、じゅうたんの上に一ぱい花材をひろげて、その上、花のごみくずで一ばい。かまやのこぎりでゴシゴシやるなど常識的にもおかしいのだが、ことに立花を作るというのだから調和しないのも当然であ結局、午前6時まで立ちつばなしの仕事をしたわけだが、やはり楊所を得ないと仕事もしにくいものだと、つくづくと感じた次第である。ホテルの部屋で立花を作るといういけばなは作り上げてみると美しいものであるのだが、その制作の過また、工作の場所の条件が大変重新lFl対立した一夜は面白い経験であRアc モンステラシマガヤキキョウホザキナナカマドリアムアジサイカンゾウタメトモユリc はム垂、休アジ(すサいイたのいま)んでまあるるい。花のかたる。アリアムの白っぽい紫、アジサイの赤紫、たっぷりとした緑の葉、Rc少し背の高い花瓶に下方へ垂れる様に挿してある。花瓶より上は軽く作り、主として下部の形に重点をおいて、この花型まりが、よく似た形であるのも、この瓶花の特徴である。アリアムは茎の美しいものだが、また、こんなに短かく使うのも変化がある。モンステラのたっぷりとした濃い緑の葉、タメトモユリ、オレンヂ色のかんぞうの花。花器は白と黒を染めわけた荒土の陶器で新しい形の花瓶である。夏の瓶花は小細工のないさつばりとした憾じが好ましい。祁索の緑をたっぷりと使って、花色はほんの一部分、というのが季節的にもよいし、ことに日もちもよい。花の美しいのは春のいけばな、さつばりと緑葉の多い区のいけばな、風雅にやさしい花を秋のいけばなにというのが季節的なねらいどころといえる。この。ヘージ三作の瓶花は、いずれも左右にひろがりのある花型で、「対照型」である。三作とも特徴のある瓶花であるから、それぞれのもち味を理解して欲ししアリア5 ...... .... .

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