テキスト1968
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花器ではないが、思いつくままにお花を入れて見たいな、と考えて利用する雑器の類。こんなのを応用花器といいます。ここでは灰皿を使って小品の花を活けて見ました。灰皿の中には面白い形のものもあるし、趣味の翌かなものも多いので、小品花器にふさわしいと思います。小さい穴のあるものはそのまま軽く挿して留まりますし、小さい剣山を使って留めるのもよい。あまり形式ばらずに一輪生の様な軽い気持ちで挿すと、あつさりした感じで楽しい小品花が作れます。活けて見ると、これが灰皿かと思うほどすつかり小さい花器となつて、お花がしつくりとよくうつります。勿論、和種の花でも洋種の花でもよいが、なるべく大輪咲きの美しい花を選ぶことです。普通の瓶花盛花を活けて少し日がたつていたみかけた頃花首だけ短かく切つて、こんな器を利用して、もう一度.趣味の花を活けるのも楽しいものです。Rは白地の陶器に青い線の入った灰皿。小さい剣山を使ってあじさいを一本、そのまま傾けて留めました。涼しげな感じの花となりました。Rは藍に朱色の図案のある白磁の長方型の灰皿です。これは剣山を使わないでも留まるので、そのままりんどうの一本を二つ切りにして、すそもとに短い茎を添え、葉を器にもたせて留めました。図案の直線とりんどうの葉の形が調和していると思います。c荒土の陶器に濃いあずき色の上くすりのかかった渋い趣味の灰皿です。これは二つ口があるので、小さい口の方へ、あざみの紫赤の花を一本さし込み、倒れるままに横斜させて変調な形となりましたが、思いがけなくも面白い格好になったのです。しやれた形だな、と写真を見ながらほほえましくなりました。ぽかんとあいた口も面白いです。⑪カットガラスの灰皿。り子のガラス器に水を入れると、ことに清爽な感じがします。淡紫色のバラ一輪、剣山を使って留めましたが、特に小さい剣山を選ぶと足もとが美しく見えます。ぶ厚い切ぁざみc 8 灰皿に活ける思いつくままに活けた灰皿の花R@ あじさいあっさりとして楽しいいけ花が出来ましたりんどう

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