テキスト1968
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六月より七月へかけて、いけばなの花材もすつかり夏の姿となります。花菖蒲、すいれん、こうぼねの水草の花、芦、がま、ふとい等の池沼の草もの、ききよう、合の類、あじさい、ななかまど、しもつけ、かんぞうなどの山花の類も一しお及らしい粧いを見せます。七月に入ると女郎花が咲き、あさがお、むくげなど、本格的な盛反の花が見られる様になります。この。ヘージでは自然に見る夏らしい山花をとり合せて瓶花盛花を作りました。ささ百合は季節におそいけれど、七月にはためとも百合が咲き、山の木の緑の葉ものと取合せると、すがすがしい感じの花が作れます。早いすすきの穂も出ますし、桔梗、百合の種類などそれぞれ季節感のある花もあって、七月のいけ花もまた楽し、ということになります。緑のかえで、瓜葉もみじ、なつはぜ、ななかまどの葉、だん竹、しまがや、やはずのすすきなど、すがすがしい花材です。新鮮な緑を活けるcささ百合5本、なつはぜ3本の瓶花です。なつはぜを低く横にひろげて、百合を高く挿す考え方で活けました。なつはぜの右の枝は長く前斜に出し、その中段から左方へ出た小枝がはり出しています。左後方へのびる枝、下方へさがる枝に特徴があります。ささ百合は上方に3本、下垂したもの2本、その配列に注意して下さい。c ⑪桔梗4本、あじさい2本、のしらんの葉4枚で作った小品盛花です。あみ目のこまかい白竹の篭にビニール製の丸い箱を中筒に使って、剣山でとめてあります。じの取合せなので、活け方も淡泊な調子に軽やかに仕上げました。あじさいは紅を帯びた薄紫の花。「夏の朝」にふさわしい花です。花器花材とも及らしい清爽な感7 百

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