テキスト1968
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アマリリスデージ一c⑪ る花器である。ほうの葉の黄みどり、菊c小型の腰高花瓶に入れた、やや小品的な感じの盛花である。アマリリス2本、デージー、なるこ百合の葉2本の配合である。普通の水盤に入れてよい一般的な盛花で、お稽古用に活けやすい配合である。アマリリスの花は前向きの花、横向きの花と一本づつならべた方がよく、デージーは同じ形の単調な花なので、花の配列を考えて、そこに変化を作るようにする。アマリリスの葉は前向き、後向き左右の葉の向け方と葉と葉の空間の形も考えて配列する。⑪朴の木、中菊二種の盛花である。花器は褐色のひねりの大鉢、安定感のあの濃緑の葉、菊の花は赤味を帯びた褐色で、落賄きのある配色である。この菊は大輪の花に堅いつぼみがあって、形も風雅で、なんとなく品格がよい。和室の床の間に飾りつけて調和のよい盛も。ーさて、このページの二つの盛花は、手軽に作れる初歩的な盛花であって、普通一般のお稀古の花はこの程度のものであります。このテキストには、主として変化のある作品を多く掲戟しているのですが、なるべく程度の高い作品を見て皆さんの作品が少しでもよくなるように、との期待をもつて編集している次第です。こんな花器にはどんな花が調和するのだろう、この様な花材はどんなに活けるのがよいか、など充分考えて多方而に利用されることが望ましいのです。ほうの木菊ナルコユリの葉11

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