テキスト1968
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⑪白花のフリーヂヤと紫の細花の群りエリカの2種。花器は朱色の長方形の漆器である。花器の右方に落しの容器を附き、それに挿してある。軽い感じの花器なので、花材も軽やかな材料を選んだのだが、フリーヂャの葉を左右にのばして対照的な花型に作った。花器の色が強い朱色なので花の色は白と淡紫の静かな色調をとり合せて、その辺にも注意して活けた。エリカは長い枝であっても、フリーヂヤは短かい草花であっても、こんなに長短を変えて活けるのも―つのエ夫である。Rつつじ(錦光花)と白つばき2種の瓶花である。つつじは紅色の花が群つて美しい。花器はグレーの腰高の広花瓶。これも対照型で右方のつつじは枝を少し高く、左方のつつじは枝を少し下げて、変化をもたせる様に挿してある。つばきはまん中E ①⑤ 3 の前方より後方へずつと控えて奥深<挿し、前の椿は花器より垂れる様に入れ、水ぎわの調子を作ってある。この花型を花器の上方より見れば長短の十字型になつている。つつじの褐色の枝線の見える様に作ってあるのも美しい技巧といえる。対照的に左右にひろがる花型のことであつて、瓶花の場合も盛花の場合も同じ考え方で作る形である。左右に枝葉が出るとはいうものの、左右が同じ形にのびるという意味ではなくて、常に変化を考えて、花葉の用い方をする。また、上方にのびる立体調の中の対照型もあるし、花器の口辺から左右に出る対照型、また、花器より下方に垂れる様な形の中にその形を作る均合もある。勿倫、左右の枝葉花は斜め前後に庄叩11することが多く、前後に深く、t枝や副材を使って変化のある花加ーを作ることになる。ここに八つの作品を並べたが、それぞれ変化のある考え方で作ったので参考とせられたい。たびたびと緑込している様に、盛花瓶花は左右に枝葉花を出すとともに、それとほとんど同じ程度の長さに、前後に枝葉花を出し、或は奥深<控えて師すことが必要で、簡単にいえば十字別の様に、左れ前後が等分の長さと考えて誤りはない。写真だけを見て奥行きと前のはり出しを忘れない様に、特に注意して欲しい。(斜め卜文字のはり出しも名えること)その巾に長短を作り、更に花材の裔低と、浮き沈みを作って変化を作るわけである。対Eし照ょっ5 ... ` □フリーヂヤつつじエリカ白桔型りD 匿•

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