テキスト1968
105/110

、平前回の花型図と対照して見て下さい。前回のは副主型だが少し倒れた形です。今回は立体ですから同じ花型でもほとんど直立した形です。これを「立体副主型」といいます。ここで直立というのは、ほとんどまつすぐだが、実際には前方へ傾けて活けることになります。写真は(テツボウユリ、ダリア)の立体副主型の瓶花と盛花です。この写真では前方へ傾いていることがわかりませんが、かなり傾いています。前へ傾くということは、同時に立体副主型(りったいそえしゆけい真や控が奥深い位店にあるということです。はわかりにくいのですが、大体は、盛花にしても瓶花にしても、前から見て横巾の長さと同じ寸法ほど、前後(前の枝先から後方の控まで)の奥行きをとる、というのが普通です。これは斜体の場合も立体の場合も同じ考え方でよい訳で、それ以上、前後奥行の深いほどよい花型となります。また、この写真の中問は「紅色のダリア」ですが、後方の控は、普通は中間より低く奥深く入れますが、中間の右方へ入れても、左方へ入れてもよいわけです。この写真では盛花の場合は左に、瓶花の場合は右に入っています。留は右前に低く長く傾けます。前後の深さということは、写真で② (副主型の瓶花)11、枝の位樅が少しぐらい変つて前号でもお話しましたが、基本型といつても、あまりかたくならない様に、長短も材料によって多少かえるのもよろしいし、花の位もよろしいから、この基本型のこころをつかんで、工夫することが大切だと思います。花は活きものですから、材料の自然の活きる様に、そして基本にそう様に活けて下さい。立体には、木ものでも草花でも、幹や茎のまつすぐにのびあがる様な形の材料を活ける場合に、この花形を選びます。女郎花、花菖蒲、てつぽう百合大輪菊、すすき桔梗、若松、南(副主型の盛花)天、猫柳、グラジオラス、カユウ、ストレチアの様に。その他、直立する形の花材が沢山ありますが、こんな場合に立体に活けると花を引き立てることになります。みずぎわの技巧瓶花でも盛花でも、みずぎわ(花瓶から下葉にうつる場所)の技巧の美しいことが大切です。前号でも今度の写真の花でも、みずぎわに葉がたっぷりとして、そこが美しく整理されていることがわかります。足もとをすかせる方法もありますが、はじめはまず、下葉をたっぷりつけて、美しく整理することに注意する様にします。7 瓶花と盛花の基本花型ひんかもりばな

元のページ  ../index.html#105

このブックを見る