テキスト1967
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`し).~い□菊はいけばな材料としては、一年中に見られる代表的な花であるが、形や感じからくるものは、平凡という言葉につきる。ことに、この頃は四季ともに見られる関係からか、段々と品種のよい美しいものが見られる様になったのに、さて活けてみると、いかにもおきまりの様に見えて憾動の少ない花である。あまりにも花葉の形が招いすぎているためだろうが、写頁にとつても平凡な花となる°変った調子の花の菊、茎の曲った菊、そんな材料なれば少しは而白い調千も出るだろうが、立派に咲いた菊ほど平凡である。安泰といったおさまりのよい姿勢だが、先ず無難といった感じの花ではある。c の盛花である°菊は淡黄色。c山のしだ5本、大輪菊3本花器は淡い緑色の大きい鉢、これはフランス製の陶器でサラダボール。匝径35センチもあるたっぷりとした大鉢である。菊の数かに美しい、黒々としたほどの緑の葉、しだの黄みどりの葉とは、緑の中に談淡の迩いがあって、それぞれの菜の形に変化があつて調和がよい。たっぷりとした花器に、たっぷりとした花。落杓きのあるト品な配合といえる。広い座敷の広の間に、黒色のうす板をしいて飾れば、大変安泰な感じの盛花といえるだろう。中央の前方へしだの葉を浮かせる様に軽く挿して、が、葉の並びぐあいなど、芙しく整理されている。,\\ ⑪褐色の蓮の実、淡黄菊との配合である。群りの菊の葉に対して、直線的な連のくきの調和を考えて取合せた。純粋の日本趣味の落着きのある盛花である。花器の左方の部分に水を見せて、たっぷりと人った水の感じを見る様に、葉をすかせて入れてある。この鉢は人きく深みもあり、どつしりとした安定感があるだけに、水を弥く感じさせるのだが、夏季に水草の類を入れたならば、感じがよいだろうと思う。もので、茎には少し緑の色を残して新鮮な感じのする材料である。辿と菊は、古い南画の様なと花形に風恰をつくったり合せで、なんとなくおきまりの様な感じがするが、いけ花としては謁和のよい材料である。辿は今年の花の枯実となった30n、京部市観光課を通じて貰方の(NEWHAVEN) アメリカよりの来信(10親愛なる桑原弗渓様御夫及、8月芙しいお家に招待を受けましたことは、非常な光栄でございました。主人並に私は大変御親切なおもてなしをうけ感謝しております。砲道の有名な家元の家庭を訪問できたということは、大変な特権でありました。主人と私は賀方と貨方の御家族を我家へお招きしたいと111心つております。我国への御訪問が余り先のFにならない様に望んでおります。(ロサンゼルス)デグイット・ゴールスタイン九月はじめ日本旅行の途次、京都市長の御紹介により、あなたの御家を訪問させていただきました°美し本の御家庭を親しく訪問し、またあこがれの日本の象微であるいけばなを拝見しまして、この上もない喜びでした。いけばなは私の生活の中の大きい楽しみであります。憑謝をこめてお礼を巾上げます。カリン・メースナー月)5 ー'.i‘ーーイr1i・ー\喝ー'心'`; 9,:¢≫ ゞ・D

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