テキスト1967
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ャ.生花は普通、一種で活けるか、ニ種で活ける。真副胴より留控に至るまで一種の材料でつくる一種生(いけ)の場合と、留控に他の材料をつける二種生の場合、これが大部分である。しかし、三種、五種と交挿(こうそう)してもよいわけで、例えば秋草の七種生、松竹梅の三種生などは、その代表的なものである。生花は日本の伝統的な清楚、純粋、淡泊といった感じが多くふくまれており、古い日本画の線描の清純な絵の様に、いわゆる墨絵のような、淡彩的な感じのいけばなである。花の種類を少なくして、しさよりも、線条によって形をつくる単純さを尊しとする。これが生花の伝統の考え方であるが、今日の生花として考えてみると、まず、材料の種類が増加してきたこと。(洋花で生花に用いられる材料が多くなった)た。(生花の花器ときめられたものから、陶器の色彩、形の美しいものを使う様になった)時代に調和する作品を作らねばならぬという考え方。この様に生花に対する実際の必要性から、生花は伝統的なものとして、古いしきたりだけを、そのままにしておくことができない様な、今日の今日的な生花をせかその色彩的な美、花器が変化してき、生花も新しい有様である。「現代生花」という言葉で、あらわす様な、そんな自由な考え方をとり入れて、新しい考え方をとり入れる様にしたいものと私は思っている。従つて、生花の約束、形式よりも外形上のよい花形を作り、美しいいけばなを作るという点に力を入れて、生花の最も釘ましい技巧の精密と型、はどこまでも尊重することにして、その上に、白由な解釈は花材の配合、花器の選択の方へ持つて行きたいと思つている。この。ヘージの(がま、女郎花、すいれんの生花)の作品の様に、昔の生花なれは水と陸の材料を区別したものだが、もつと自由に、形と色と自然感に重点を置いて、美しい配材をするのが、今日的であると考えている。B R がま女郎花すいれんふいり葉のまさきA R濃い緑に淡黄のふいり葉の交ったき)である。枝ぷりも細く柔かく、自由にためられる木である。行の形の基本型に入れた。副が左へはりすぎではあるが、自然の気持ちのよい枝なのでそのまま使った。この副の場合、留を少し短かくするのが普通であるが、これものびやかに留を出して、たっぷりとした形に作りあげた。花器はう切り方の竹器。R水盤株分挿(かぶわけざし)の形で、これは草(そう)の形である。ガマ、女郎花、スイレソ三秤の生花。普通ではガマとスイレソニ秤で活けるのだが、女郎花を加えて自然趣味の生花とした。盛花なれば普通に考えられる取合せだが、冬花の場合には、ガマと女郎花との合挿は珍らしい。しかし、同じ環境に出生する花材だし姿も背高く、形も色もよく調和して無理がない。息い切り低いスイレンもバランスとして変化がある。「はしぐい」といt,'』,しぷぃ(まさ6 R

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