テキスト1967
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ーしつぼうー—花留である。盛花には剣山を使うことが多い。留りやすくて便利のよいものであるが、形はあまりよくない。下葉がたつぶりとある材料を活ける場合は、殆どかくれるからよいが、足もとのすく材料の場合は、随分きつい感じがする。深みのある水盤の場合は問題はないが、浅い水盤に、足もとのすつかり見える様な場合は、剣山を使わないで、他の花留具のほうが感じがよい。他の花留具というと、形の変ったのもあるが、殆んど使つて便利のよいのは「七宝」ー七宝花留は、カットの図の様な花留具で、剣山が考案され一般化される以前(大正年代)は、生花も盛花もすべてこの花留具を使って活けていた。剣山とは挿し方に技巧がいり、簡単にとまる剣山が、すつかりとつてかわったのだが、足もとのすく材料は、七宝花留のほうが好ましい。ぞ。七宝花留は、材料によっては、剣山よりも留りやすい場合もあって、便利な場合もあるが、留めるのに特殊な技法がいり、枝茎をさし込んで、ツメ木で留めるのに、いろいろ工夫をせねばならないので、それの簡単な剣山を使う様になった。しかし、足もとの見える材料は七宝を使う様にしたいものである。剣山の方がいいものもあるし、七宝のほうが美しく見える場合もあるから、その材料と花器の形を考えて、使いわけする様な考え方がよいと思う。お稽古日に持つてくる花ばさみ。随分ひどいはさみを持つてくる人がある。重たい、さびて赤くなった様なはさみ、お母さんのお稽古時代に使われた花鋏。これも愛着のおもいがあって、その意味では結構だが、悪いはさみはよいお花が入りません。なんとなく使ってらっしやるのだろうけれど、これではよいお花は入りません。できるだけきれいな鋏、よく切れる鋏、趣味の品だと思って、美しいものを使うことです。是非どう盛花瓶花練習用の花器はどんなのを用意すればよいのでしよう。その標準を記しておきます。壺や水盤は形の変ったものが多いから、特別に定めることはできにくいですが、ここに圏示してある様なものが使いやすく、一般的であります。(挿図ここに示した様な花器は、最初から、是非用意して置きたいものです。1(丸型水盤)口径25センチ程度2(細い壷)高さ3(大型壷)高さ23センチ程度この三個を揃えると、普通のお花はほとんど活けることができます。勿論、形、色調、焼成の状態などいろいろありますが、色識は、白色、青磁色、濃紺色、黒色などA)25センチ程度が花との調和もよく、どの花にもよく調和して使いよいです。形は大体、図示のものに近い形をお選びになるとよろしい。①の水盤はどの花にも活けやすい形です②の花器は、細い木ものや草花、菊などを活けるのに適切です。③の壷は大きもの、太い木ものなどを活ける場合に使いよい花器です。以上の3個を用意すると四季を通じて便利ですが、さらに、増加するときは次の様な花器揃えたいものです。(挿図1(長方形水盤)2(丸型壷)3(腰高水盤)このうち、腰高水盤はいわゆるコB)2 3 A 横35センチ程度ンボートといつて、形も多く一ばん多く使われていますから、お花古のはじめから、この形のものを使ってもよいわけです。従つてこのコンボート型と、挿図Aの朝頻型水盤と2個用意すれば、大変便利です。いろいろありますが、お稽古用の普通値段を記しておきます。(挿図ー、水盤2、細い壷(一、000円程度)3、太い壷(二、000円程度)(挿図ー、長方形水盤2、丸型の壷(二、000円程度)3、腰高水盤(一高さ18センチ程度口径23センチ程度花器のお値段は(一、000円程度)(一、000円程度)、五00円程度)A)B)2 3 B 5 '·~----=—~ 花はさみ花留具お稽古用の花器虐

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