テキスト1967
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~ャ[·5い・炉~.、八月は花が少ないというのが定説の様になつているが、最近、栽培もよくなつて'盛夏用の新種の花が出廻つてきた。今度のテキスト写真の中にある、オミナェシは新しい種類のもので、花も美しく水揚もよい。今後は女郎花も全部この種類になるのに迩いない。フクジンソウという花は、ハマユウによく似た花で、これも最近の新種の花で、夏の花としてうるおいもあり形もよい。ガーベラの大輪咲きで花軸の太いものが花圧に出廻つている。カーネーションの炉種とともに、今後はこんな俊良柾だけが出廻るのではないかと息う。園芸も段々と進少して、祈しい花が追々と多く出るに迩いない。感夏だから花が少ない、などといつておられないこととなった。私逹もそれをよく見わけて、真夏でも水協のよい、優れたいけ花を作るようにしたいと思う。A R淡黄の実の山いばらイ)は、まだ青葉がついている。葉をとり去つて、これに桔梗5本、ムクゲの八重咲(淡紅)りーーを添え、三種の瓶花とした。花器はヤキシメの褐色の壷。サンキライの下枝をとらずに花器の中へつつ込み、その張りで留めてある。残花の桔梗で細く弱々しいが、足もとのムクゲが水々しく新鮮で、色彩的にも美しい瓶花である。この花器は普通とは少し高いので、こんな垂体の花材がよく調和する。ムクゲのかわりに日まわりの花、又は白花のダリアの大輪咲など、調和がよい。盛夏の花として淡泊な色彩の花が望ましい。(サンキラ軸も太く、柔かく水々しい。3本を上方に並べ少し前傾、後方の控に小祇園まもさい茎を1本入れる。ダリアは黒赤色のボンボン咲ダリアで葉もしつかりとして水揚のよい種類である。真夏で3日間程度はもつ。上方のオミナェシの間に1本づつ人れ、中央前傾に1本。前方ガラス花瓶へ低く2本入れ、ガラス器の中へ水へ沈めて1本人れてある。水とガラスを通して見える様に括した、水中の花である。水中の花は意匠的な考え方だが、ガラス器のもつとひろやかなものを使って、5本程度も水の中へ沈めて、ガラスを通して見える様な活け方も中々美しく、涼しげな花になる。Rオミナェシは新種のもので、花昂い頃の花はどうしても日持ちが悪い。また、季節柄あつさりとした花が好ましい。すいれん、すすき、の様に清楚な感じのものほど水揚が悪い。そこで、材料を選ぶにも中々工夫がいるわけだが、例えば洋種のポンポン咲の白菊を三、四本瓶花に入れて一種、すすきの尾花に紫蘭の葉の長くのびたものをあしらう。また、むくげ、朝顔の様に毎朝咲く花を、日毎にとりかえる、といったエ夫をすることも一法であろう。夏咲きのテッポウユリ一種、グラジオラスの紫の花、など淡泊な感じで、日持ちもよい。とにかく夏のいけ花は、材料の選択の仕方と、度々活け替えできる材料が望ましいということになる。2 ~' .B

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