テキスト1967
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枝葉をととのえ美しく見せる技術は、いけばなの最も大切な部分であります。大体でき上った作品は、最後に枝葉花の手入れをします、長すぎる枝、無駄な葉と多すぎる花を切りすかして、すつきりとした姿に仕上げます。このすかしということは、慣れないうちは大変むづかしくて、切りすぎても困るし、どれが必要なのかそれさえも迷つのが普通であります。しかし、これはいけばなの数を活けるうちに、自然と理解ができるもので、体得して行くことが大切なのです。整枝整葉によって、花の奥行も見える様になり、枝葉の浮き(美しく前後に浮き出ること)や、重なりの空間、さらに花形を構成するのに重要なすきまの作りも方、枝葉のすかし方によって作られて行きます。最後の手入れとはいうものの、この整枝整葉の上手下手によって、よくも悪くもなる場合が多いわけで、出来上りをすつきり見せるためには大切な技巧です。もうでき上ったと思っ作品を、更によく検討して、手整枝整葉(技法)⑦ 入れをすることが大切であります。また、この場合は全体をゆさぶる様な大きいなおし方はしないで、鋏の先だけの仕事だと思つて下さい。る、尖端の鋭いものが必要で、花鋏を常によく手入れして置くことが大切です。また、花葉の群った中へ鋏を入れるとき、特に紙鋏の細いものを使うと仕事が美しくできます。りとる場合は、葉先からはさみを入れ自然のままに見える様に切ります。すいれんの葉の大きすぎるものを、少し小さくまる<切りとることもあり、枝先葉先を切る場合も、殆ど目立たない様に丁寧に自然の様に切りとります。けですから、枝先葉先を切りすかし、或はためなおすことが多く、最後の整理が最も大切となります。様に、いけばなではどの場合も、水ぎわの技巧を美しくすることが必要であります。花」では足もとが―つにまとまる花形ですから、ことに足もと、水ぎわを美しく寄せ合せ、すつきりとした従つて、この場合に鋏のよく切れ葉先の汚いもの、折れたものを切生花の場合は、技巧がこまかいわ「水ぎわだっ」という言葉のある古い伝統の「立花」の水ぎわ、「生水ぎわの技巧技巧で仕上げることが大切となります。水ぎわの上手下手が「生花」の生命だといわれますが、それほどこの部分が大切であります。瓶花盛花の場合も、これと同様に大切であつて、殊に、花器と接触する場所でありますから、花器を引きたてるためにも、水ぎわをどんなに仕上げるかということが問題になります。瓶花盛花の場合は下葉や水ぎわの花がすぐ花器に重なる場合が多く、花器の色や焼成の状態、図案彫刻などがすぐ花と直結して、よい場合には器と花とが巧みに調和して、よい感じを出すことになりますが、これも主として「水ぎわ」の接触点の美しさ如何にかかります。例えば、青磁の花瓶の口もとへ重なる様に垂れ下った紅色のバラの花と緑の葉は、花器をも引き立て美しく見えるに違いありません。花器に花が捕してあるということではなくて、花器と花とがどんなに結び合っているかということは、主としてこの水ぎわのよしあしにあります。水ばん花器の場合も、篭花器の場合も、これと同じ考え方が必要であります。また、足もとの美しい茎の花材は水ぎわを充分見せる様に活けますが、この場合は特に、花器と花の足もとを美しく作ることに注意します。この号の作品写真、(笹百合、なるこゆりの瓶花)(ストレチア、アリウムの瓶花)(スタージス、百合の盛花)などは、水ぎわをすかせて、茎の線を見せ、そこに特長を作ろうと考えた作品ですが、この場合には特に「水ぎわの技巧」がねらい所になります。また、この考え方が段々と発展して行くと、水ぎわの特長を芸術とする特別な作品も生れてくる訳です。花を活ける人は花器をよく知ることが大切です。花器を知るためには、正しく見る眼を養うことが大切であり、更にその花器を白分の作品に使って、やすいかどうかを知ることが大切であります。花器と一言葉にいつても随分種類が多く、それを見るにしてもいろいろ観点の差があるものです。美術品、工芸品として見る場合もあり、芸術作品として批判する場合もありましよう。こんなになつて来ると問題があまりにも広範囲となりますから、ここでは私達のいけばなに使用する、或は使用し得る範囲に限定して考えて見ようと思います。まず、その種類と使用目的などに分類して考えるのが便利です。種類器花器内容{竹器ガラス陶器金誓使い篭花器その他の花器(陶器の場合は焼成と色調について)応用花器5 ... ... 瓶花盛花講座..... .... すばがい° なあ形のにりと様使ま‘にうす美‘の°し日~~~·←-、もそい常器手果會食中れ色雑利提も所器々ら彫具用篭の用の楽をデのそ篭品類し応ザ中の等の用イに他の器し‘しンす‘利物もてのば意用利のいもら匠用でけのし容例けすいたいあとけみえてこ0''器なる思ばよ大ば‘のデこ物おこいなう佐別種ザのを‘とまをとに類イ種利花をす作思以___._―-• 一'~価,--A~考のン類用器御かるい上い活新伝作そ花格美稽えもののすと諒ら上まの形け様統りの器と術古たの優もるし承‘です様や式の方種を実的用いをれのこて下その°にすの形の類自用なにと応たにと作さの常な区い形を技と分価高使思用もはもらい範識お別形に知法材で値級用と対る料作にのでい花の中多れ°囲程‘しま器が々いての度こて活すこるつ花きい器るすとあ形しおおでれ考けるとて範が名りの‘ら話よはえに見‘づまよまなでいいてく方ツ囲形花器の花自作^器のその

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